ヨーロッパの一流イラストレータ イタリア、フランス、ベルギー、ドイツで活躍中のアーティストを紹介
   
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小品ながら、イタリア中世の雰囲気が、物語に!絵に!

| 2026年03月05日 05:00 | 吉村正臣 |

Manuela Marchesan マヌエラ・マルケサン (イタリア)

Il giocoliere di Maria
聖母マリアの曲芸師

イタリア語:翻訳付
出版社:San Paolo Edizioni

 

マヌエラ・マルケサンは1961年、ボローニャ生まれ。ボローニャ美術大学卒業。長年にわたり、ボローニャ・チネテカ※で歴史的映画ポスターのコレクションをキュレーションする傍ら、児童向けイラストレーターとしても活動。銅版画の制作にも没頭。版画や印刷の世界、そしてボローニャ市図書館のグラフィックデザイナーという現在の仕事と、多様に活躍しています。
(※ボローニャにある世界的に有名な映画アーカイブ・映画館で、古い映画の修復・保存・上映を行い、映画文化の振興で知られています。)

文章は、アルベルト・ベネヴェッリは、児童書や短編小説を専門に執筆。作品は、フランス語、ドイツ語、オーストリア語など各国語で翻訳されています。

物語は、冬の最も寒い日に修道院に招かれた貧しい曲芸師の物語。聖母マリアを称える修道士たちの儀式に感銘を受け、立派な祈りや学問ができないことを悩み、自分にできる唯一のこととして、聖母マリア像の前で、曲芸を披露しました。修道士たちは曲芸を見つけ、不敬だと怒りますが、像の聖母マリアが、ベールで曲芸師を包みます。
フランスの作家アナトール・フランスの短編小説を基にした物語とされています。

11㎝×18㎝の小さな絵本です。特にページ1-2に、イタリアの絵だなと思いました。作者のアイデアでもあるのでしょうが、建物の作り、村の真ん中の広場、そして色合い。また、村が点在しています。各村の広場に、曲芸師が踊っています。広い視野の絵から次第にズームアップして物語の内面に入っていくよう描いています。小品ながらよい作品です。

≪翻訳の一部≫   翻訳:南乃 まあ

バルナベは貧しい曲芸師で、市の日には村から村へと移動し、広場で芸を披露していました。
「さあ、お急ぎください!道化師がやってきました。」「道化師が来たぞ!」
それから、すり切れた絨毯を地面に敷き、始める前にこう言いました。「曲芸が始まるぞ。楽しさは保証する。」

その奇抜な衣装は子供たちの注目を集めましたが、ベルナバが逆立ちをしたり、側転や宙返りをしたり、色とりどりの玉を飛ばしたり、速い旋風のようにどんどんナイフを空中に投げ上げたりすると、大人でさえ立ち止まって見とれてしまいました。
ベルナバは本当に素晴らしい。
ショーの最後には、彼の技と伝えた喜びへのご褒美として、彼の奇妙な帽子の中に金貨が落ちました。
その金貨のおかげで彼は生き延びることができたのです。

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