フランスの地方に伝わる民話の「赤ずきん」です
| 2015年03月21日 21:00 | 吉村正臣 |
Chiara Carrer キアラ・カッレル (イタリア)
Le Petit Chaperon rouge
赤ずきん
フランス語 翻訳付
キアラ・カッレルは、イタリアを代表する絵本作家・イラストレーターです。イタリア、スペイン、スイス、オーストリア、ドイツなどで100冊をこえる絵本を出版。「ブラチスラバ世界絵本原画展」金のりんご賞やボローニャ・ラガッツィ賞など、多数の受賞歴があります。2014年にはリスボンのイラストレーションビエンナーレで、大規模な回顧展が開催されました。
物語の『赤ずきん』ですが、グリム童話やペロー童話集に収録されているものが有名です。
グリム童話では、狼におばあさんと赤ずきんは食べられてしまう。満腹になった狼が寝入っていたところを通りがかった猟師が気付き、狼の腹の中から二人を助け出す・・・というお話です。ペロー童話では、赤ずきんが狼に食べられたところでお話は終わり、猟師は登場しません。
しかし、この絵本は、フランスの昔話から書かれたもので、おばあさんは食べられますが、赤ずきんは機転を利かせ、家に逃げ戻ります。ただ、恐ろしい部分があります。オオカミはおばあさんを食べ、食べ残しを食器棚におきます。赤ずきんが来てから、おやつとしてそれを食べなさい、というのです。さらに赤いワインを飲めと・・・ワインはなんでしょうか?それは書かれていませんが、推測してください。なかなか、めずらしい「赤ずきん」のお話しです。
絵は、作家の特徴がでたシンプルなものです。赤と黒の配色がとてもキレイです。単純な構成ですが、奥行き感や空間性を感じさせ、グラフィック作品としても優秀でしょう。少女やオオカミなどさわやかなに鉛筆で描いています。この作家らしい筆致です。コラージュで仕上げた部分や、印刷製版で色を指定して仕上げたような部分もあり、色が濁らず鮮明な画面となっています。小品ながら、作者の才能がうかがえます。
≪翻訳の一部≫ 翻訳:泉りき
裏表紙 解説 :「赤ずきん」は世界的に有名ですが、ここに収録されたのは、あまり知られていない物語です。フランスの地方に伝わる数ある民話の中から、口承文芸研究者ポール・ドラリュ(1889-1956)が発見したものです。なお、「赤ずきん」というタイトルではじめて創作をしたのは、シャルル・ペロー(1628-1703)で17世紀のことですが、今回の絵本の物語は、ペロー版より、さらに古い時代の作品です。
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