マリア・バッタリア、詩人で作家のビビアン・ラマルクとの作品
| 2024年05月30日 05:00 | 吉村正臣 |
Maria Battaglia マリア・バッタリア (イタリア)
La petite fille de glace
氷の少女
フランス語:意訳付
出版社:Albin Michel – Ipomée
マリア・バッタリアは、小学校教諭を経て、イラストレーションを本格的に学ぶため、ミラノのヨーロッパ・デザイン学院に入学。イラストレーションを学んだ後、子供のための絵本を中心に活動。主にイタリアとフランスで作品を発表。ブラティスラバ国際絵本原画展やボローニャの常連でした。「魔笛」はアンデルセン2000年最優秀イラストレーション受賞。
イラスト・ユーロのコーディネートで小澤征爾氏のオペラ公演のメインビジュアルに作品を提供。スローフード発祥の地、ブラに住んでいます。
バルセロナ、テヘラン、台北での展覧会や、テレビの国際展覧会でも活躍しています。
文章は共同作業の多い、ビビアン・ラマルクさん。ラ・フォンテーヌ、ヴァレリー、プレヴェール、ボードレールの翻訳を手がける。文学賞の受賞も多く、童話でもアンデルセン賞(2000年)などを受賞しています。
片ページに詩のような文章、片ページに絵と、端正なレイアウト。氷にとじ込まれた世界から、太陽が注ぐ世界への、以降が、淡いパステルの色調で表現されています。
彼女は、大方の場合、厚手の色紙にコンテで描きます。色紙の色が、絵を重厚にしています。
≪意訳の一部≫ 意訳:南乃 まあ
輝く白い瞳と、ガラス細工のような髪。
霜の刺繍が施されたスカーフ、きれいな雪のコート、そして足元には輝くスケート靴。彼女は氷の少女だったのです。
彼女はガラスのような家に一人で住んでいました。
その小さな家は、凍った大きな湖の真ん中にあり、
太陽の光に照らされると、家と湖はまるで金でできているかのように輝き、
月の光に照らされると、家と湖は銀でできているかのように輝きました。
誰もがこの家にうっとりしていましたが、遠くからでした。
近づくことは不可能だったのです。
この湖の氷は、今にも割れて、近づこうとする者を永遠に飲み込んでしまいそうでした。
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