2012年のボローニャ国際絵本原画展にこの絵本の原画が入選
| 2013年05月11日 10:04 | 吉村正臣 |
Violeta Lópiz ヴィオレタ・ロピス (スペイン)
les poings sur les îles(話してごらん-おじいさんとの時間)
フランス語
2012年のボローニャの会場でこの原画を見、その後、パリでこの本が販売されていました。独特の仕上がり感に目を奪われます。木や葉、草など植物がとてもやさしく描かれています。人と草木が一体となったイメージもとても美しい。感動します。とくに、絵の具で描かれた表面が、少しぼんやりとさせているというか、うすいフィルターをかけているような加工が独特な仕上がりをもたらせ効果的です。さてなんだろう・・・ワックスを描いた上に塗っているのではないか、と思い至りました。エンコスティック(アンコスティック=鑞画)と言う鑞を使って作画する方法がありますが、それとは違い、水性絵の具で描いた上に鑞を薄く塗って表面をにじんだように見せているのかな・・・と思っていますが。技法はともかく、見る側と絵の具画面との間に何か隔たり感があり、それがこの絵の現代性というか大人の絵にしていると思うのです。この作家はとても才能のある人ですね。今後注目です。スペイン・イビザ島出身。1980年生まれ。マドリッド大学で音楽を学び、その後イラストレーションの道へ進みます。