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『ロシア民話集』に収められている作品「イワン王子と火の鳥と灰色狼」

| 2021年03月27日 09:00 | 吉村正臣 |

Marie Desbons マリー・デボン (フランス)

lvan et le loup gris
イワン王子と灰色のおおかみ

Marie Desbons0

フランス語  翻訳付

彼女はたくさんの作品を発表しています。多くは、いわゆるカワイイと日本の、もちろんフランスの女の子たちに絶賛されるでしょうイラストです。カラフルで、オシャレな女の子、お花、エキゾティックな風景にあふれています。しかし、絵はていねいな筆致で描かれ、神経のいきとどいた塗り込みです。とてもすてきで高級感のある絵本となっています。
この絵本は、彼女の作品の中では最も、シリアスな絵本だと思いました。このタイトルは日本語に訳すなら『イヴァンと灰色のオオカミ』でしょうか。アレクサンドル・アファナーシェフの編纂した『ロシア民話集』に収められている作品「イワン王子と火の鳥と灰色狼」です。ロシアの雰囲気が、楽しく描かれています。民話の土着性というか伝統性か、うまく表現できませんが、重さのあるしっかりした絵となっています。

翻訳の一部   翻訳:泉 りき

それは大昔のこと。はるか遠い、今のロシアのあたりの国に
ヴァーツラフ・アンドロノヴィッチという名の皇帝がいました。
息子が三人おり、長男ディミトリ王子、次男ワシリー王子、三男イワン王子でした。

皇帝は、ほかの国にはないような、すばらしい庭を持っていました。
庭には、さまざまな花や木がありましたが、
とりわけ皇帝は、一本のりんごの木を気に入っていました。
その木は、金のりんごができるのでした。

ところがこの庭には、金の羽根、水晶の目を持った火の鳥が
しょっちゅうやって来て、あたりを飛び回るのです。
火の鳥は、決まって夜に訪れ、皇帝が大事にしているりんごの木に止まり
金のりんごをついばんでは、すぐに飛び立つのでした。
皇帝はそれを知ると、すっかり力を落としてしまいました。
・・・・

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