ウサギの親子、おやすみまで、いろいろなキスをします
| 2015年08月06日 09:00 | 吉村正臣 |
Émile Jadoul エミール・ジャドウル(ベルギー)
LAPIN BISOU
おやすみのキス
フランス語 翻訳付
イラストと文を手がけたエミール・ジャドゥルは、1963年ベルギーのフランス語圏・アヴェンヌ生まれ。リエージュにあるサン・リュック高等美術学校で、イラストレーションを学びます。1992年ボローニャ国際絵本展に入選、1994年フランス・モントルイユ絵本市で新人賞に選ばれます。
ベルギーやフランスで、絵本作品を出版。フランスで出版されたPar la fenêtreは、さまざまな言語で翻訳された人気作。英国政府はこの本を、恵まれない子供たちに配布しました。
幼児向けの絵本が得意な作家で、森の中にある一軒家で住み、野生動物たちとふれあいながらの生活が、作品にも反映されているようです。
この絵本は、ウサギの親子のお話。おやすみまでの時間、ふたりはいろいろなキスをして、愛情を表現します。そして、おやすみ前の最後のキスは?ママウサギのアイデアが、とてもかわいいです。
ウサギの親子だけをシンプルに描き、背景を深いブルー1色でまとめました。主題だけが引き立ち無駄がないので誰もが理解できる絵になっていますね。
とてもカワイイうさぎさんですね。日本の絵本でも十分通じます。キャラクターとしても使えます。たぶん、子供が大好きな作家でしょう、文章も絵も描きました。この作者は、他の絵もこのように優しく、キャラクター化した動物たちを描いています。
≪翻訳の一部≫ 翻訳:泉 りき
おやすみの前に、甘えん坊ウサギとママは、キスをします。
「じゃあ、ママから。ないしょのキスよ」
ママはそう言って、甘えん坊ウサギの耳もとにキスをします。
「くすぐったいよー」
「ぼくは、エスキモーのキス」
甘えん坊ウサギは、鼻をママの鼻にくっつけます。
「まぁ、楽しいこと」
「こんどは、両方の手にキスするわよ」
ママは、甘えん坊ウサギの両手を一度にキスをします。
「あっ、ずるい」
すみません、せっかくですが売り切れました。