楽しく、ていねいに描かれているモンスターたち
| 2015年12月11日 10:02 | 吉村正臣 |
Claire de Gastold クレール・ド・ガストルド (イラスト)
Racontars de minuit et autres histoires de monstres
真夜中の愉快な怪談
フランス語
イラストレーターのクレール・ド・ガストルドは、1978年パリ生まれ。幼いころから、コミック作家になるのを夢見ていました。ブリュッセルのサン・リュック美術学院に学び、その後パリに戻り、国立装飾美術学校でイラストレーションを学びます。現在は、絵本、コミックの両方の分野で活躍しています。
絵が、とても楽しく、ていねいに描かれている作品です。おばあさんが次々と話すお化けが登場しますが、ひとつひとつがおもしろいのです。ほぼ、人間もしくはよく知っている小動物の姿なのですが、身体の一部がモンスター化されています。時には笑えるものに、あるものは恐ろしく。
写実の力もあり、まったく空想のデッサンもあり、また漫画的手法もあり、不思議で深さのある絵本となっています。
アクリル絵の具でしょう、しっかりした全体構成のもと、細い筆を微妙に動かし、綿密にカタチに生命を吹き込んでいます。光の入り方、反射、影のコントラストも見事に描かれ、たくましい絵になっています。
≪翻訳の一部≫ 翻訳:泉 りき
みんな、こわーい夢は好き?
夜中に、歯をカチカチ鳴らすのは?
で、ベッドにもぐりこみ、ぶるぶる震えて
朝まで眠れないのはどう?
さあ、お話をはじめるよ。よく聞いておくれ。
さて、すっかり真夜中。この手のお話には、おあつらえむきの時間だよ。
だけど、楽しいお話じゃない。とってもこわいんだから。
キャーとか、ワーとか、何でもこわがる子は、とっとと寝な!
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