友情はどうあるべきか、女の子たちに教えます。
| 2020年11月25日 11:37 | 吉村正臣 |
Emmanuelle Houdart エマニュエル・ウダール(スイス パリ在住)
UNE AMIE POUR LA VIE
女子のキヅナ ずっと友だち
フランス語 翻訳付き
エマニュエル・ウダールは、スイス生まれ。ジュネーブの美術学校ほか、いくつかの機関で学びました。現在は、パリ在住。1996年からイラストと画家の仕事を始め、多くの雑誌・新聞に作品を掲載。20冊以上の絵本を出版しています。
絵の特徴は、色彩感覚に富んでいるところです。すべてマーカー(フェルトペン)で描かれている。極細の線も、色の面もマーカー。ですから、色のにじみや混じりがありません。そのため発色のキレイな仕上がりとなっています。また、たいへん奇妙なシーンが随所に描かれます。
絵本の常識性を切り裂いて、生々しい感性を表に出していく、現代作家のホープでしょう。
この絵本は、まったく性質の異なる女の子が、ふとしたきっかけで出会い、友情を深めていくというお話。友情はどうあるべきか、子供たちに教えます。
翻訳の一部 翻訳:泉 りき
ふたりの女の子は、まったく正反対のタイプで、
それでいて、とても似ているところがあった。
片方は、陽射しと塩と砂に囲まれた、海の子だ。
肌は小麦色。彼女をはぐくんできた、海の色のように濁った目。
髪は月明かりのない夜のように、黒い。
もうひとりは、一年中雪に覆われ、岩と短い草が生える高地で育つ。
冬の朝みたいに青白い顔で、小川の水のように透き通った目。
寒い地域には欠かせない暖炉の火のように、真っ赤な髪をしていた。
ふたりとも、旅をするのが大好き。
世界のあちこちを、たったひとりで冒険するのだ。
いくつもの町や村を越え、ずいぶん歩き
たどりついたのは、風の強い石だらけの土地。
そこを流れる、大きな川のそばで
ふたりは偶然にも休んでいた。
これが、ふたり出会い。
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恐れ入りますが、売り切れました。