スクリーン印刷の特徴が生きた色彩、フォルム。よい手本になる作家です。
| 2018年07月05日 15:41 | 吉村正臣 |
Gwenola Carrere グウェノラ・カールレ(ベルギー在住)
1977年にジュネーブで生まれ,その後、オーストリアのウィーンで育ち、ベルギーに移住。今もベルギーで暮らしています。1999年にセント・ルック・ブリュッセルを卒業。グラフィックアートを学び、ポスターの制作、出版に活躍。1920年代から30年代(ソビエト時代)のロシアのイラストレーションから影響を受け、それをベースに現代のヨーロッパの作風を加えながら独自の特徴ある作品を作り出しました。日本の本にも刺激を受けたようです。子どもの本、ポスター、イラストレーションで活躍しながら、2つの美術学校でイラストレーションとスクリーン印刷を教えています。アニメーション映画にも積極的に乗り出しています。
型紙(ステンシル)をつけて上からインキを押し付ける印刷法の、特徴を熟知し上手に使った作品がやはりいいですね。絵はダイナミックで、おおらか、グラフィック出身だけあって、絵本やポスターに適しています。特に、大判の印刷物では、迫力があってぴったりではないでしょうか。画法の特徴ですが、色が混じってしまわず、各色がクリア,発色がいいです。また、フォルムには動きがあり、細々したところがないので誰もが好きになりそうです。ユーモアのある部分もあり、安定した作家でしょう。
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