ヨーロッパの一流イラストレータ イタリア、フランス、ベルギー、ドイツで活躍中のアーティストを紹介
   
SSL グローバルサインのサイトシール
 

フランス人が思う日本の民話なのでしょう。

| 2023年12月19日 05:00 | 吉村正臣 |

Cécile Metzger セシル・メッジェール(フランス)

LE CONTE DU SINGE PÊCHEUR
はぐれた子ザル

フランス語:翻訳付
出版社:Marmaille & compagnie

イラストレーターで作家のセシル・メッジェールは、フランス東部のフランシュ=コンテ地方出身。大学でフランス文学を学び、英国に留学。イギリス文学を学びます。幼いころから好きだったイラストは独学で身につけました。日常生活の何気ない風景を観察し、物語を作り出し、水彩絵の具や色鉛筆で描いています。彼女のイラストは、日本のモード誌SPURにも採用されています。
現在は、イタリアのフィレンツェに住んでいます。
「私の絵が、それを見た人の人生に小さな喜びをもたらすことができたら嬉しい」と語ります。

これは日本の山里を舞台にした物語です。日本の懐かしい風景が描かれています。フランス人が想像する日本の民話なのかもしれません。

冬が近づくと、日本のサルの中には、長く寒い季節を乗り切るために山の温泉へ向かうモノもいます。一番小さく、末っ子が、群れの道に迷い、森の中で一人になってしまいます。年老いた漁師に助けられ、漁師の家で寒い冬を過ごします。
とても優しく、静かな絵です。紙の白地に若いサルたち、木々や草花、特にカラフルな鯉や、衣裳が日本を象徴して描かれます。

「私は主に水彩画で描いています。コントロールと偶然性のバランスがとても気に入っているからです。色と色が混ざり合うことで、繊細で美しいテクスチャーが生まれることもあれば、イラストレーションの中の小さなディテールやパターンを描くこともできる。」と作者自身が語ります。

≪意訳の一部≫ 

日本の北の国、
上信越高原の、うっそうとした竹林の中、
空を見上げて秋を待つサルの群れがいました。

ニホンザルのグループ、シュンゼン族の中で一番小さいサルが、
月に向かって首を伸ばしています。おだやかな夕方、北風が吹いています。

星が出る夕暮れ、 その若い子ザルは賢者のお話を聞いていました。
年老いて腰が丸くなったモロヤマ老人です。
シュンゼン族の家長で、
部族に、間もなく平原へ出発することを告げます。

この絵本のお求めは:https://illust-euro.ocnk.net/product/551