ヨーロッパの最も人気があり、よく売れている作家の一人です。
| 2019年08月04日 17:36 | 吉村正臣 |
Beatrice Alemagna ベアトリーチェ・アレマーニャ(イタリア)
Le Fabuleux désastre d’Harold Snipperpott
動物たちのパリ大行進
フランス語 翻訳付
出版社:Albin Michel Jeunesse
ベアトリーチェ・アレマ-ニャは、イタリア・ボローニャ生まれの絵本作家で、イラストレーター。現在はパリ在住です。1996年パリ郊外・モントルイユ絵本市で新人賞を、2006年ボローニャ絵本原画展で、ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞を受賞。Un lion à Paris(パリにきたライオン)をはじめ、これまで制作した20冊以上の絵本は、フランス語を中心にさまざまな言語で出版されています。
まもなく7歳になるハロルド=フィリップくん。裕福な家庭ですが、父母とのふれあいがなさそうです。元気のない息子を見て、さすがの両親も心配になり、これまで開いたことがないバースディ・パーティを開くことにします。パーティを請け負ったのは街のなんでも屋。パーティ当日やってきたのは、動物園ごと移動したようなおびただしい動物たち。家の中をめちゃめちゃにして大混乱になります。ところがなんでも屋が棒をひと振りすると、事態はたちまち変化します。内気な少年と、愛情をうまく表現できない両親が、動物たちに導かれ、家族で過ごす楽しさを知ります。動物たちがパリに街を行進する風景は圧巻です。
ヨーロッパの最も人気があり、よく売れている作家の一人です。自由奔放に描いているように見えますが、とても丁寧に線を引き、水彩絵の具でグラデーションを作っています。鉛筆、色鉛筆、細い線で描かれ、さらに絵の具で、淡く・濃く塗られます。その絵の具にさらに色鉛筆で塗り込んだり、こすり取ったり、様々に手が加えられます。描き込んでいるのですが、単純な画面構成に仕上げるのは、大胆な構成力の賜物でしょう。
立派な室内、街角の様子、様々な建物の雰囲気、楽しい人々・・・いつもながら上手です。たくさんの動物たちが出てきます。動作や表情にそれぞれの個性を軽妙に表しています。
≪翻訳の一部≫ 翻訳:泉 りき
何もかもがうまくいかないと落ち込む日がある。とんでもない災難が迫り、何もかもが元どおりにはならないような日がある。これは、そんなある一日のお話だ。
災難に出くわす一週間前のことだった。ぼく、ハロルド=フィリップ・スニッパーポットは、もうすぐ7歳。どうしてもしたいことがあった。バースディ・パーティだった。かんたんなのでいいんだ。パーティなんて経験したことがなかったし。何しろ、ぼくの親は、大のパーティぎらいだったから。
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