雨の描き方にご注目! 広重か、ゴッホか、マンガから学んだか?
| 2018年12月05日 00:19 | 吉村正臣 |
Beatrice Alemagna ベアトリーチェ・アレマ-ニャ (イタリア)
Un lion à Paris
パリにきたライオン
フランス語 翻訳付
フランス語で、ライオンはリオン(lion)と発音します。パリの中心部にリヨン(lyon)という大きな駅があります。発音が似ていることから着想してできた絵本かな、と思いました。そしてパリの左岸にダンフェール・ロシュローという街区があり、ここの大きなロータリーの真ん中にライオン像があります。ここが物語の最後です。パリの街をライオンとともに巡ってください。
鉛筆の線がきれい。常に一定の力で息を抜くことなく、ていねいに引いています。まったく雑なところがありません。
ちょうどセーヌにかかる橋、ポンデザールに来たとき雨がふりはじめました。その雨の描き方が、広重の江戸百景「大はしあたけの夕立」、それを学んだゴッホの雨を線で描く方法を思わせます。日本人の場合は何でもないことなのですが、西洋画ではめずらしく、この場合マンガの手法から学んだのかな。雨を白線で表現、うまいな。 また、コラージュが絵をモダンにしています。パリで大ヒットした作品です。
作家は、イタリア・ボローニャ生まれ。1996年パリ郊外・モントルイユ絵本展で新人賞を、2006年ボローニャ絵本原画展で、ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞を受賞。これまで20冊以上の絵本を発表しています。
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