セルゲイ・プロコフィエフが作曲の「ピーターとおおかみ」
| 2022年03月19日 00:13 | 吉村正臣 |
Pia Valentinis ピア・ヴァレンティニスイタリア)
Pierino e il lupo
ピーターと狼
イタリア語 翻訳付き
出版社: Fabbri Editori
イラストを描いたピア・ヴァレンティニスは、イタリア・ウーディーネ生まれ。地元の美術学校で学び、現在は、イタリア半島の西にあるサルディーニャ島で暮らしています。第21回イタリア・アンデルセン賞やボローニャ国際絵本原画展入賞など、数々の受賞歴があります。彼女の絵本は、海外でも出版されています。
この絵本はCD付で、ロシアの作曲家セルゲイ・プロコフィエフが作曲。子供たちのために作った「ピーターと狼」です。CDを聴きながら、動物たちや森の雰囲気を味わってください。
少年ピーターは、森でおじいさんと住んでいました。ある日、ピーターは戸を閉め忘れて動物たちが逃げてしまいます。そこにおおかみが現れ、動物たちは逃げ出したが、アヒルは追いつかれて丸飲みに。ピーターはおおかみを捕らえ、アヒルを救い出そうとします。小鳥は空から狼の気をそらせ、その隙にピーターがロープで狼のしっぽを捕らえました。そこへ銃を持った狩人が来て、ピーターは狩人に協力を求め、おおかみを捕まえました。丸飲みされたアヒルは……?
とても繊細できれいな絵です。かといって、細々せずダイナミックです。この絵はほとんど色鉛筆で仕上げているようです。普通、色鉛筆だけではこれだけ深く強い色合いにならないのですが、緻密にしっかり描いているから素晴らしくできあがったのでしょう。木々の枝、木の葉ほんとにていねいです。動物たちの表情は細かく観察されていて感心します。色鉛筆がこれほど能力があったか、と驚きます。色鉛筆の使い方を学びましょう。
<翻訳の一部> 翻訳:泉 りき
さあ、物語の始まり、始まり。
よく晴れた日でした。空には太陽は輝き、草原には黄色い花がたくさん咲いています。
ピーターは庭の門を開け、外に出ました。
木の上から、友だちの小鳥が「おはよう」と声をかけます。
門が空いたままだったので、アヒルは池に来て泳ぎます。
小鳥がアヒルを追いかけ、たずねます。
「飛べない鳥なんているの?」
アヒルが笑って答えます「じゃあ、泳げない鳥はいるの?」
そして池に飛び込みます。
アヒルと小鳥が言いあっていると-友だちどうしがふざけあっているようなものですが-
ピーターは草にまぎれてこっそり近寄ってくるネコを見つけました。
小鳥を狙っているのです。
ピーターが「危ない!」と叫ぶと、小鳥はさっと木の枝に逃げました。
すみません、せっかくですが売り切れました。
この絵本の細目は:https://illust-euro.ocnk.net/product/55