とてもキレイな、透明感のある絵。上手ですね
| 2014年03月10日 10:26 | 吉村正臣 |
Olivier Latyk オリビエ・ラティック(フランス)
Là-bas tout au fond du dessin
絵のずっと奥のほうに
フランス語 翻訳付き
見知らぬ絵の背景にたたずむ、鉛筆で描かれた少年。ひとりぼっちで寂しそう。どうやら以前は、温かさや色がいっぱいの絵の真ん中にいて、とても楽しかったみたいです。
絵のテクニックもうまいし、上手に見せるコツも知っています。その上、心のありようもわかる人です。 この絵本の場合、絵の具で描いた部分、鉛筆で、色鉛筆で、コラージュで…と、多彩な技法が効果的に使われていますが、なにより、視野の広い風景を筆で描いている絵は、心をとらえます。見事と言えるでしょう。アイデアもいいですね。子供のデッサン画と、その向こうに広がる心の風景を、誰もが理解できるように構成しています。子供ばかりでなく、絵の好きな大人にもいい絵本だと思います。
オリヴィエ・ラティックは、1976年生まれ。フランス・ストラスブール出身です。早くからその才能が認められ、フランスの有名出版社から絵本を出版するほか、米国の日刊紙や雑誌にもイラストを提供しています。パズルやおもちゃのデザイン、ゲームも手がけています。
<翻訳の一部> 翻訳:Mar
絵のずっと奥のほうに
なにも言わない小さな少年がいる。
彼のいるところは、いつも遠くだ。
通学鞄には、まだよくわかっていない単語の本が数冊入っている。
ポケットには、冷たいビー玉数個と、朝、母さんがたたんだハンカチが、入っている。
頬には、手のわずかなぬくもりが、まだ感じる。
いたるところで、
彼の悲しみを隠すための、日陰の穴をさがすしかない。
すみません、売り切れました。
なお、この絵本は絶版になっており、取り寄せはできませんん。