ペルピニャンの街を、卓越したテクニックでスケッチしています。
| 2023年05月20日 20:00 | 吉村正臣 |
Jean Marie Drouet ジャン・マリー・ドルエ(フランス)
CROQUIS AU CŒUR DE PERPIGNAN
ペルピニャンのスケッチ集
フランス語:翻訳付
出版社:COIFFARD LIBRAIRE ÉDITEUR
1961年生まれ。アングレーム美術学校を卒業後、15年間、広告と出版の世界でレイアウトと構図のセンスを磨き、絵画に転向。しっかりした構図で、線とドローイングで描かれます。しっかりしたデッサン力で、まばゆい光に包まれた装飾性が特徴です。また彼の日常生活や旅行から引き出されたシーンが高く評価されています。市場、カフェテラス、町並み、人々の生活の場面が主題となります。
スペインとの国境の街、地中海に面したペルピニャンをスケッチしました。この街は古代ローマ時代には既に重要な交易の場所で、いろんな王国の主要都市となり、16世紀にはフランスに併合されました。町のあちこちに多くの歴史的資産が残っています。
ペルピニャン駅にはサルバドール・ダリが「宇宙の中心」と宣言し、ダリのスタイルで装飾されています。
この街をジャン・マリー・ドルエが、隅々まで歩き、多くのスケッチを描きました。さらに、そのスケッチに、印象を書き添えました。なぜその対象を描いたのか、興味を持ったのか、その添え書きを読むと、わかる気がします。
スケッチブックを持ち、ふと目をとめた対象物を、画用紙にバランスよく構成し、鉛筆で素早くデッサンしています。ムダのない線です。垂直・水平…斜め線が迷うことなく、引かれています。スピーディーに描いていますが、建物のパースや、木々の遠近が的確で、小さな絵ですが、事物の配置や形がわかりやすく描かれています。ポイントに、着彩されています。きれいな色、そして影の入れ方で、立体を示しています。
街をさまざまに描いていますが、決して街ガイド集ではありません。すばらしいスケッチ集です。絵を勉強する際のテキストにもなりますね。
<翻訳の一部> 翻訳:南野まあ
マヨルカ王宮※…今朝の庭園はとても静かです。静寂を楽しみに散歩する人はほんの数人で、庭師は完璧な直線を描くのに忙しそうです。
※ペルピニャンやバルセロナの南方にはバレアレス諸島があり、ここには13世紀にマヨルカ王国がありました。島のほかにヨーロッパ大陸にも領土を持っていて、建国当初からペルピニャンが大陸側の首都となりました。マヨルカ王の居所として建てられた王宮は、14世紀に王国が滅んだ後もフランス王によって継続的に増強されました。
西側ファサード
マヨルカ王宮の城壁からは、カニグー山とピレネー山脈の眺めが素晴らしい。
今朝の天気は快晴だ。
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