不気味な意味を持った絵。その美しい異様さが魅力
| 2014年02月10日 09:59 | 吉村正臣 |
Michaela ミハエラ(ドイツ)
Vogtlanthia und das Geheimnis der Vogelscheuche
鳥の大陸・フォクトランティアを守れ!
ドイツ語
ミハエラは、ドイツ北部の都市・リューネブルク在住。料理人の見習いを経て、ハレ・ブルグ・ギービヒェンシュタイン芸術大学で学んだ、異色の経歴の持ち主。ドイツの著作家シュテファン・ハイムの作品<The King-David-report>をはじめ、数多くの絵本を出版しています。絵本だけでなく、ガラス絵画家としても有名で、いくつもの賞を受賞しています。
物語は、フォクトランティアは、誰も見たことがない未知の大陸で、鳥たちが暮らしている。
この地を取り仕切る暴君・レクサウスを追放し、大切な2羽の鳥シュッツとルーエを救うため、雌鳥のパウラは、秘策を練る。それはかかしに変装し、レクサウスを追い払うこと。だがそのためには、強力なかかしが必要だった。
その条件とは、おぞましい容姿、おどしをかける態度、大声でわめく、激しい身ぶり、アクセサリーをジャラジャラいわせて、相手を怖がらせること。どんなかかしができるのか、パウラのもくろみは成功するのか…。・・・・・・というような、お話し。
この絵本は、ボローニャ国際絵本原画展で見つけました。絵本の1ページが大きなポスターになり、スイスの出版社のコーナーに貼られていて、足が止まりました。
このような恐ろしい絵が絵本になるのか…そう思いました。中世時代の絵のようですが、最近描かれた絵です。
それぞれの絵は、大変精密で、色の塗りも線もていねいでキレイです。この作家は、森や動物をよく知っているのかも知れません、そこでこれだけリアルに描け、迫力もでているのでしょう。色の鮮やかさが、現代の絵になっています。擬人化された鳥の表情は一枚の絵画作品としても成立します。また、背景の風景や、鳥や人物の洋服も古典的でありながらモダンなところがあります。すごい迫力ですね。
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