パリで見つけたイラストレーション：ジャン・マラード

｜ 2023年07月13日 05:00 ｜ 吉村正臣 ｜

Jean Mallard　ジャン・マラード（フランス）

ジャン・マラールは 1997 年にパリで生まれました。漫画メビウスと宮崎映画のファンであった彼は、すぐに絵を描くことに夢中になり、決して絵を手放さないと決心。 18才でパリの装飾芸術学校に入学。コミック、漫画、スクリーン印刷、彫刻を学びました。お気に入りの技法は水彩画とガッシュ。ロシアの人気画家、インドの細密画、日本の版画、ドゥアニエ・ルソーからインスピレーションを得て自分の世界を創造しました。2019年にナポリに移り、そこで最初の展覧会のために連作のイラストを制作。「心の風景」の表現として評価を得ました。美しい色彩の世界を描き、彼のポジションを確立したようです。彼の絵は、2018年と2020年のボローニャ国際絵本原画展と2019年のアングレーム国際漫画祭で選ばれ、特に2018年ボローニャ国際絵本原画展ではグランプリを受賞しました。

美しく透明感のある作品ですね。版画、特にシルクスクリーンのような非常にシンプルでありながら、キラッとした才能をのぞかせています。水彩画の持つ単色とその微妙なぼかし、ムラが爽やかです。
日本の版画を勉強したとか、中国の水墨画のようでもあり、東洋的な静けさを感じます。一本一本の線、シルエットのカーブを描くラインにも神経が行き届いています。

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