マトッティの代表作3作を収録。造形力と色使いが余すところなく発揮

｜ 2022年05月08日 07:00 ｜ 吉村正臣 ｜

Lorenzo Mattotti 　ロレンツオ・マトッティ (パリ在住）

Le signor Spartaco – Doctor Nefasto – Labyrinthe
マトッティ　コミック3部作

フランス語

イタリア出身。ヴェネチア大学で建築を学び、その後、デッサンの能力があることに目覚め、イラストレーターとして才能を開花させます。斬新な表現方法で、本国イタリアはもとよりフランス、ドイツ、スペインなど各国で高く評価されています。また、絵本にも積極的で、1993年ブラチスラバ世界絵本原画展でグランプリを、2003年には、コミック作品「ジキル博士とハイド氏」で、米国アイズナー賞を受賞しました。現在はパリに住み、イラスト、漫画、絵画と多彩な分野で活躍しています。2014年ルイ・ヴィトン発行のトラベルブック「ベトナム」編にイラストを提供しました。

1982年のコミックデビュー作 <Le signor Spartaco>を含む、マトッティの代表作3作を収録しています。彼の造形力と色使いが、余すところなく発揮されています。
まず彼は、ほんとに何でも描けます。写実的な絵、マンガ、抽象的な作品、腕が自由に自然に動くのでしょう。この画集には、さまざまなテクニックが掲載されています。また彼の特徴である、色彩も、モノクロ画から、淡い色のもの、きつい色彩のものまで、幅の広さがわかります。
スピード感のある描写ですが、デッサン力があるため、しっかりした絵となっています。マンガ以外の単品作品も掲載されています。日頃の彼の絵とは違った作品で、彼の画業の深さが示されています.