鍵盤や弦、弦をたたくハンマーなど冒険の舞台になる
| 2017年05月26日 01:39 | 吉村正臣 |
Rémi Saillard レミ・セイヤー (フランス)
Pousse Piano
ピアノ教室
フランス語 翻訳付
出版社:le baron perché
ストラスブール高等装飾美術学校を卒業し、広告代理店で仕事をします。作品が雑誌や新聞に掲載されるようになり、その後、絵本作家になります。これまでに数多くの絵本を出版しています。イラスト・ユーロでは以前、彼の絵本 Le chapeau(帽子)をご紹介しました。
主人公は、今日からピアノ教室に通い出した少年。待ちきれず、早めに教室に着くと、部屋には誰もいません。ただ、どっしりと大きなピアノが一台あるだけ。小さな子は、大きなピアノに触れたくて悪戦苦闘します。そのうちにピアノの中に、落ちてしまいます。ピアノの内部は暗闇の世界。綱渡りのように弦の上を歩き、金色のハンマー、鍵盤に出会い、音を鳴らす。ピアノに迷い込んだ少年の冒険をご覧ください。
ピアノの内部が、絵に展開されます。暗い闇の中に、線が縦横に走ります。これは弦ですね。ピアノ内部に隠れている鍵盤が描かれたり、楽器の好きな人は楽しいでしょう。端正に細かく描いています。手描きとPCを使っているのでしょう、色の澄んだ絵です。とくにブルーがキレイです。
<翻訳の一部> 翻訳:泉 りき
今日、ぼくにとって、はじめてのピアノ教室の日。
待ちきれなくて、はやく着きすぎちゃった。
がらんとした大きな部屋の真ん中には、ピアノだけがあった。
ぼくを待ってくれたんだね。
ぼくはそっといすに座る。
腕を前に伸ばし、指を広げる。
だけど鍵盤に届かない。
仕方ない。ピアノの位置を変える。
思いきり、ピアノの脚を押す。
ぼくとピアノとの距離を近づけたい。
だけど、だめだ。
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