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ピュイバレの特徴がよく出ているとともに、新しい画風

| 2022年10月11日 05:00 | 吉村正臣 |

Éric Puybaret エリック・ピュイバレ(フランス)

PANDORE cette nuit
「パンドラの箱、ふたたび」

フランス語・翻訳付
出版社:Gautier-Languereau

パリ出身のイラストレーター、エリック・ピュイバレ(1976年生まれ)。パリ国立高等装飾美術学校でイラストレーションを学びました。1999年ボローニャ国際絵本原画展に入選。フランスの有名出版社から絵本を出版し、子どもからおとなまで多くの読者を獲得しています。日本では2004年「月と少年」が出版されました。柔らかい色調で描かれるイラストが、幻想的で夢のような世界を創りあげています。最新作であるこの絵本は、現代を舞台にギリシャ神話「パンドラの箱」のその後を描きます。

ある夜、パリ郊外の町・マラコフ。町に不似合いな女性が訪れます。彼女の名はPandore(パンドール、パンドラ)。なくした箱を探しているようです。住民たちの協力もあり箱が見つかると、どこからか7体の巨大な災難が姿を現します。かつてパンドラが箱を開けたために、この世に出たのです。箱に戻りたがる災難たちを前に、再び開けようとします。
(参考)『パンドラの箱』はさまざまな災いを引き起こす原因となるものの例えとして用いられ、「パンドラの箱を開ける」という言葉が「災いを招くきっかけを作る」を意味する慣用句としてしばしば使われている。

この作品はピュイバレの特徴がよく出ているとともに、新しい画風が感じ取れます。画面が、濃厚になり、重厚に描き込まれた深さを持っています。また、立体感がぐんと出てきました。アニメのような大胆な動きを描き、あっと目を見張る構図もあります。ていねいに繊細、そして細やかなグラデーション、光のニュアンスは絶妙で、ファンタジックでもあります。
個性派ぞろいのフランスイラスト界にあり、独特の世界でファンを集め、この作品も評判がよかったようです。

<翻訳の一部> 翻訳:泉 りき

美しい女性だった。アカンカスの装飾が施された豪華なドレスに身を包んでいた。マラコフ(パリ郊外の町)の中心部にやってきた。住民の中には、街灯がついた夜の町を歩く姿を目撃した者がいた。石造りの建物の壁からレンガの壁へ、踊るように移動する彼女の影。とても美しい女性だ。何もない町で、星のように輝いていた。

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