絵本の絵も芸術作品だと、最初に思った作家
| 2002年01月15日 14:39 | 吉村正臣 |
Bimba Landmann(イタリア)
ビンバ・ランドマン
「L’unicorno dal corno d’oro」
小さな紙のお月様
イタリア語
絵本の絵って、今まで、まあ芸術的価値があるものとは思っていませんでした。もちろんとても絵の上手な人もおられます。しかしやはり子供向けだから大人が感動するようなものではない…そんなことが心にあったのでしょう。で、フローレンスの本屋さんに入って、たまたまこの本を見たとき、すごい絵を描くのだなあ、と思いました。特に、この人の描く“顔”が、ルネッサンス前に教会に置かれていた宗教画の“イコン”の神々の顔にそっくりなのです。イタリア人のイコンがDNAのように体内にあり、また子供の頃から古典的宗教画を見て育つのか…と感心しました。後ほど調べてわかったのですが、この作家は、すでにイタリアを代表するイラストレータで、日本でも数冊出版されているとか。
イタリアの風景、建物など精密に描かれています、また、伝統的遠近法がもちいられていますが、非常に大胆に、色彩に変化をつけ、心象を表現します。一見ぎこちないデッサンなのですが、それが一層、心の中の思いを深めることになっています。
「天才 レオナルド・ダ・ヴィンチと少年ジャコモ」
日本語版(西村書店)
「ジヨットという名の少年」
日本語版(西村書店)第6回日本絵本賞・翻訳絵本賞