これは楽しい、幼児のための絵本
| 2007年03月01日 16:14 | 吉村正臣 |
Hervé Coffinières(フランス)
エルベ・コフィニエル
「Sucré Salé」
甘いのと辛いの
子供が、言葉や言い回し、イントネーションなどを学ぶために作られた絵本のよう。短いフレーズで主語を変えて、また目的語を変えて、詩のように美しいリズムで展開されます。
目を引いたのは、ビジュアルがすばらしかったのです。
画面を二分する赤とブルー、そこに、幼児が描いたような、大胆に線のヘビだろうか芋虫だろうか、が目をとらえた。中のページも2色程度で分割され、そこに、線描がきのイラストレーション。子供が描いたものではない、明らかに安定し、意図されたデッサンである。そして上手だ。かなりの表現力を持つ人しか、これだけ単純で、一気に描き上げられない。
パステルの線と、筆とペンを使ったインクで伸びやかに描かれている。特に、大人の女、動物はこの作家のキャリアが想像できる、ベテランだろう。
この色彩とイラスト、子供時代に親しんで入れば、大人になってから、現代アートも好きになれるだろう。また、フランス語の勉強にも、役立ちそうである。さっそく声を出して読んでみる。