繊細で、いきとどいた視線で描く、心やすまる草花たち
| 2013年01月09日 15:09 | 吉村正臣 |
Emilie vast エミリー・ヴァスト(フランス)
L’Herbier
押し花
(Petite flore des bois d’Europe ヨーロッパの森の小さな花)
フランス語
植物が、やさしい目で精密に観察され、特徴がとらえられた上で、単純化され表現されています。心情が乗り移ったようなカーブする美しい線は、見る私たちの感情まで引き込んでいきます。なんて、気持ちが安らぐ絵なのでしょうか。また、黒を基調にしながら、随所にわずかな色が使われます。本当に、節制のきいた作品です。彼女の、多くの作品は、ここに掲載した花の絵に代表され、草、花、木がテーマになり、小動物が加わる作品もあります。いずれも、素朴な優しさで描かれています。
彼女はフランスの北方、シャンペンで有名なエペルネで生まれ、ランス高等美術デザイン学校で5年間学び、絵の勉強とともに、デザインや写真の勉強もしました。この地域はブドウ畑と緑にあふれた環境で、幼い頃から、草花に囲まれた生活で、この自然をいつくしむ視線が生まれたのでしょう。1978年生まれ。