まるで音楽アニメ映画のように、不思議な美しさとリアル感

｜ 2014年11月02日 09:30 ｜ 吉村正臣 ｜

Éric Puybaret エリック・ピュイバレ (フランス)

Le grand orchestre Von Bémol
指揮者ベモルのオーケストラ

フランス語

演奏シーンや、楽器、楽譜が楽しく美しく登場する絵本です。とてもきれいな音楽が流れています。そしてユーモアが絵から感じます。
発想が奇想天外、とてもユニークです。といっても、描かれる人や舞台、楽器などなどはデフォルメされているのですが、リアルに感じてしまいます。
微細なところまで、ていねいに神経質に描かれています。そして色もきれい、透明感があり澄んだ色彩です。細やかなグラデーション、光のニュアンスは絶妙で、ファンタジックでもあります。
アニメーション映画のような仕上がりとも言えます。随所に飛ぶ、楽譜からメロディーが聞こえるようです。すばらしい作品です。

エリック・ピュイバレはパリ在住。フランス国立高等装飾美術学校で学んだ後、イラストの世界に入ります。1999年ボローニャ国際絵本原画展に入選。日本では2004年「月と少年」が出版されました。フランスでもっとも注目されている作家の一人でしょう。

＜物語＞
ベモル（ベモルは♭）氏指揮によるオーケストラが、レミ・ディエズ（ディエズは♯）劇場で、コンサートをすることになっていました。ところがト音記号が行方不明に。早く見つけなければ、コンサートを中止。楽器総出で捜査にあたり、どうやらピッコロが、この件に関わっていると突き止めます。

すみません、せっかくですが売り切れました。
この絵本は絶版です。取り寄せはできません。