オー・ヘンリーの代表作「賢者の贈り物」を深く描きました

｜ 2014年12月14日 10:00 ｜ 吉村正臣 ｜

Ofra Amit　オフラ・アミット（イスラエル）

Il dono DEI MAGI
賢者のおくりもの

イタリア語　　●『解説』として、結城浩氏の「賢者の贈り物」日本語訳をお付けします

物語は、有名なお話＜オー・ヘンリーの代表作：「賢者の贈り物」＞です。
つつましく暮らす若い夫婦。お互いが相手のためにクリスマス・プレゼントを買います。貧しいふたりは大切なものを手放し、相手の喜ぶプレゼントを選ぶのですが…。クリスマスにぴったりの絵本です。

とても　、色が美しく、また深さのある描き方です。とくに、赤と青が、深みがありキレイです。一筆一筆、ていねいにきっちりと描かれ、細い筆で細かい部分が息を潜めるように引かれ、絵から作者の人柄が偲ばれます。
画法としては、板や厚手の紙に、アクリル絵の具で描かれたようで、材質の特徴が効果的にでています。厚く塗った下地が生きていますね。さらに色や形を単純化し、省略をして描くべき本質のみで構成。いい絵になっています。人々の表情にあたたかさを感じます。とくにお花がいいですね。

イラストレーターはオフラ・アミット。斬新なイラストとグラフィックで表現しています。彼女はハイファのデザイン学院でビジュアル・コミュニケーションを学び、アニメーター、イラストレーターに。現在はテルアビブ在住。2010年ボローニャ絵本原画展に入賞し、同年IBBYオナーリスト賞に選ばれます。2013年イタリアのラウラ・オルヴィエート賞を、米国イラストレーターソサエティ年鑑にも、作品が掲載されています。

「賢者の贈り物」（けんじゃのおくりもの）は、オー・ヘンリーの代表作となった短編小説。 新約聖書の、東方の聖者がキリストの誕生を贈り物を持って祝いに来たエピソードを下敷きに、贈り物をめぐる行き違いを描いた。
妻のデラは、夫のジムが祖父と父から受け継いで大切にしている金の懐中時計を吊るす鎖を買うために、自慢の髪を当時あった髪の毛を売る商人の元でバッサリ切り落とし、売ってしまう。一方、夫のジムはデラが欲しがっていた鼈甲の櫛を買うために、自慢の懐中時計を質に入れていた。
物語の結末で、この一見愚かな行き違いは、しかし、最も賢明な行為であったと結ばれている。

制作風景：https://www.youtube.com/watch?v=XON1kQ8olcc

すみません、売り切れました。