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発想がユニーク、人のデフォルメや表情に強い個性

| 2014年11月20日 09:30 | 吉村正臣 |

Carll Cneut カレル・クヌー(ベルギー)

Monsieur Ferdinand
フェルディナンド氏

monsieur f表紙

フランス語

カルル・クヌートは、1969年生まれのベルギーの作家です。サン・リュック美術学校でグラフィックを学びました。2000年ぐらいから子供向けの本を出版。人気作家となりました。パリの本屋さんではたくさんこの作家の本が並んでいます。2003年、2005年と連続してブラチスラバ世界絵本原画展で金牌賞受賞。優秀なベテラン作家です。

発想がユニーク、人のデフォルメや表情に強い個性があります。とくに頭部。頭蓋骨の立体性はしっかりとられ、ごく細部の目や口元が変形しています。絵の具が塗られている部分は重厚にかさねられ、ところどころ、意識的にひび割れ模様を使っています。
一般に日本の絵は、特に絵本はカワイイ、ホンノリが定番。しかしその常識を吹き飛ばします。日本人が見たらグロテスクかもしれない表現は、無数にいるイラストレーターの中で、強い存在感を示しています。たとえばパリの本屋さんで、無数の中から「あっ、カレルのだ!」とすぐ目に飛び込んでくる作家です。

本は、「老い」と向き合い、生きることの意味を哲学的に考える一冊です。ベルギーで出版された絵本で、9歳〜12歳向けとなっています。

≪あらすじ≫
フェルディナンド氏は、何かを探しています。どうやら大切なもののようです。でも、それが何なのか、自分でもわかりません。街をさまよい、すっかり疲れて公園のベンチにしゃがみこみます。公園にはいろいろな人がやって来ます。何でもよく知っている老人、鳥にえさをあげる婦人…。その人たちと話すことで、フェルディナンド氏は思い直します。自分は何も失っていないのだ、と。
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この絵本のお取り寄せは:http://illust-euro.ocnk.net/product/201

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