自己を最も表現できる画法を追求、目指す絵を描けた秀作
| 2015年01月22日 09:30 | 吉村正臣 |
Monica Barengo モニカ・バレンゴ (イタリア)
Pollen – une histoire d’amour
ポラン-花を愛して
フランス語
イラストレーターを描いたモニカ・バレンゴは、イタリア・トリノ出身。1990年生まれの若手です。イラストレーターのマウリツィオ・A・C・クゥアレーロに師事し、ヨーロッパ・デザイン学院トリノ校を卒業。2012年ボローニャ絵本原画展に入選しました。この絵本は、彼女のデビュー作です。
絵本は多色刷りをしているのでしょうが、セピア1色で、紙の地色に近い0~5%程度のきわめて薄い色調から、髪の毛、セーターの最も濃い100%まで、階調が美しい作品です。
画法は推測ですが、オイルパステルと鉛筆で描き、その後、拭き取ったり削り取ったりして階調をつけたのではないかと思いました。しっかりした線、濃い部分と明るい部分のコントラストや、淡い部分内の、薄い影の付け方など、微細に注意深く描く息遣いが感じられます。
優しい中に、しっかりとした力がある絵。また、この色調が、情緒性を高めます。
自己を最も表現できる画法を追求して、目指す絵を描けたような、そんな新鮮さとともに、個性のほとばしりを感じる秀作だと思います。
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