2014年ボローニャ・ラガッツィ優秀賞(フィクションの部)を受賞
| 2015年05月28日 09:30 | 吉村正臣 |
Icinori イチノリ(フランス)
Issun Bôshi
一寸法師
フランス語
Icinori(イチノリ)は、ラファエル・ウルヴィエとマユミ・オテロによるアーティスト・ユニットです。二人は2011年ストラスブール装飾美術学校を卒業し、Icinoriを結成。大衆的な版画技術「民衆版画」と現代美術をミックスした独自の世界を展開しています。パリの現代アートを取り扱う画廊での展覧会、出版、新聞・雑誌メディアなど、さまざまな分野で注目を集めています。ユニット活動のほか、ソロでも活動しています。
この絵本は、日本の昔話「一寸法師(いっすんぼうし)」を斬新な解釈で作品化。2014年ボローニャ・ラガッツィ優秀賞(フィクションの部)を受賞しました。
ここに描かれ絵の手法は、この絵本の出現で大流行しています。主にオレンジ色とブルーの2版による版画風表現、そして、アジアの風景が、高度に発展した都市生活、またイラストや版画の技法にカウンターパンチとなったのでしょう。
ヨーロッパ人にとっては、驚くような物語と風景画展開されますが、日本人にとっては、昔懐かしい絵や色合いです。が、日本人には、この絵が日本そのものでなく、中国?韓国?東南アジア?という異国性があり、そこが日本の絵本では見られない斬新性となっています。
ただ、この作家の作品を見ると、細い絵筆で繊細に塗り込み、不思議な物語を描いています。この絵本をきっかけに、他の作品にも注目したいものです。
<翻訳の一部> 翻訳:泉 りき
むかし、むかし、遠い、遠い国に、子供のいないお百姓夫婦がすんでいました。
毎日、遠く離れた畑までの道のり、互いを元気づけるように歌をうたっていました。
「赤ちゃんを授けてください、たとえ、とても小さくても。
赤ちゃんがほしいよ、ちびちゃんがほしい、たとえ、とても小さくても」
願いが通じたのでしょうか。奇跡が起こりました!
夫婦は、赤ちゃんを授かったのです。
生まれてきた子は、とても小さかったのですが
ふたりには赤ちゃんが生まれたこと、それだけで十分でした。
そしてその子を、一寸法師と名付けました。
・・・・
ほぼ日本でのお話に近く書かれています。どのようにフランス語で表現されたかを、研究することもできます。
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