子供の時から、自然破壊と再生を教えます。日本では?
| 2016年08月31日 05:00 | 吉村正臣 |
Muriel Kerba ミュリエル・ケルバ(フランス)
Un nouveau monde
生まれかわる街で
フランス語 翻訳付
出版社:Gautier – Langueteau
ESAG(パリ・グラフィックアート学院)で、イラスト理論を学びました。卒業後5年間、出版分野でグラフィック・デザイナーとして活動したのち、イラストレーターになりました。多くの絵本を出版するほか、絵画、セラミック、シルクスクリーン作品も制作しています。
http://www.muriel-kerba.com/
地球温暖化をはじめとする環境問題が、小さな市民の目で描かれています。産業が発展した都市に住む男の子が、環境汚染を意識し、一気に解決できないかと考え、旅に出る。旅で見つけたのは、現代社会からかけ離れた手つかずの自然が残る島。だが男の子の街の話を聞いたとたん、島の住民は開発と都市化に邁進する。開発で島のすべてがなくなってしまわないうちに、わずかに残った自然を少年は保護し、その自然を自分の街へ、そしてほかの街にも届けようとする。
この作家の特徴がよく出た作品です。奇想天外な色彩、そして、コラージュ。何より、事物の形はほぼ現にあるモノですが、その模様や色がたいへんデコラティブなのです。一つとして同じ模様にはしない!と決心して、直線、曲線、点、ぼかしなど工夫を隅々までしています。コラージュにも色を入れたり、描き加えたりしています。画面の隅々まで、イラストレーターとしてのサービス心があふれています。
≪翻訳の一部≫ 翻訳:泉 りき
煙のせいで、咳が出るし、痰も出る。ぼくの街は、病気になってしまった。
ときおりぼくは、街に向かって、甘い言葉でささやく。「少しはガマンしろよ」と。
だがクラクションのせいで、その声はかき消される。街が息苦しくなれば、ぼくも息が詰まる。
なんとかしたい。すぐに!
船の上で、ぼくは対策を練る。街を救えるカプセル、錠剤、特効薬がないか、考える。
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