リノリウム版画、アクリル絵の具、鉄筆などさまざまな画材や手法
| 2017年11月17日 17:40 | 吉村正臣 |
Barroux バル-(フランス)
Le Paris de Léon
タクシー運転手・レオンのパリ案内
フランス語 翻訳付
出版社: Actes Sud Junior
パリ生まれ。幼年時代を北アフリカで過ごしました。フランスに戻り、美術工芸高校卒業後、エコール・ブール美術専門学校で建築を、さらにエコール・エスティエンヌでグラフィックデザインを学びます。広告代理店のアートディレクターを経て、カナダそして米国へ移住します。イラストレーターとして、ニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、フォーブズなど有名誌にイラストを提供します。絵本作家としては2005年« La cerise géante de Mr jean »で、スイスの絵本賞・アンファンテジー賞を受賞。2011年« Extraordinary Pets » で、ニューヨーク・ブックフェアで金賞を獲得します。
この道30年以上のベテランタクシー運転手・レオン。今日もパリの街を、さまざまな国や地域からのお客を乗せて走ります。登場する通りの名前は、パッサージュ・ダンフェール(地獄の小道)、パラディ(天国)通りなど、実在するものもあります。パリの人々に愛され、走ってきたレオンの黄色いタクシーは、そしてついに、引退の日を迎えます。常連さんもいっぱいいて、こんなに愛されているのにどうして?タクシーを降りて、世界を冒険したいから。残念だけど、新たな人生を応援したくなります。
伝統的な手で隅々まで描きます。この作品は、大胆に描いたイラストらしいイラストと言えます。鉛筆できっちり描き、無駄をなくし、その上に水性絵の具でしょう、塗っているようです。パリの街を走るタクシーですので、パリの名所が遠くに描かれています。建物は比較的変形されていませんが、人物は特徴を捉え大きくデフォルメされています。それが、それぞれ上手で、おかしく、なるほどと思わせます。人々の動きや体型の描き方は勉強になります。
<翻訳の一部> 和泉 りき
オレの名はレオン。タクシーの運転手だ。パリの街ならどこでもお任せあれのベテランさ。
この仕事をはじめたとき、テレビはまだ白黒だった。放送局は1局だけさ。
今じゃみんな、オレのことを知っている。「レオンさん、この辺で降ろして」「レオンさん、そこ入って」
ハンドルを握れば、どこまでも行ける。
この仕事を30年もやってると、そりゃヘンな客にも出くわしたさ。
「パッサージュ・ダンフェール(地獄の小道)まで。急いでくれる」
「信号がないので、飛ばしますよ。しっかり座っててください」
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東京・下北沢のペッシュpêcheの店頭でご覧いただけます。