ピュイバレの特徴がよく出た、きれいな大型絵本です
| 2017年02月19日 04:00 | 吉村正臣 |
Éric Puybaret エリック・ピュイバレ(フランス)
Mireille
ミレイユ-遠い夏の日
フランス語翻訳付
出版社:EDITIONS MARGOT
パリ在住のイラストレーター。フランス国立高等装飾美術学校で学んだ後、イラストの世界に入ります。1999年ボローニャ国際絵本原画展に入選。その後、有名出版社から数多くの絵本を出版。透明感あふれる絵で、一躍人気作家となりました。日本では2004年「月と少年」が出版されました。
夏休みを迎えた少年が主人公です。ずっと空を飛ぶことを夢見ています。誰もいない静かな土地に、ある日、老人がやってきます。少年と老人は、仲よくなり、少年の夢である空を飛ぶためのマシンを、ふたりで作り出します。終わらないと思っていた長い夏休みが終わると、老人も姿を消します。人と人が出会い、同じ夢を追いかけ、別れていく。いつかまた会える日まで。誰の心にもある夏休みの思い出を、よみがえられせてくれる、不思議でどこかなつかしい物語です。
ファンタスティックな世界が読者を魅了します。手描きでしょう、一部CGも使われているのでしょうか、明るい光から暗い影へのグラデーションがみごと。光が美しく表現されています。広い空間の中、エキゾチックな建物が描かれ、不思議な動きをします。人のデフォルメも大胆、極端にひずむ顔が夢の中に導くようです。細かなところまで神経のいきとどいた筆使い。さすが超一流の作品です。
<翻訳の一部> 翻訳:泉 りき
ものごころついたころから、ぼくはずっと思っていた。空を飛べたらと。
はるか昔にはじまった人類の歴史の授業も、チャイムが鳴るとおしまい。
いよいよ夏休み。時間は長く、ゆっくりとすぎていく。
その夏ぼくはふざけて、ノートの最後のページに、空飛ぶマシンの絵をいくつも描いた。
それを見た両親は、ずいぶんがっかりした。もう少し、まじめに描いてほしかったのだ。
だから両親ではなく、空を飛ぶ旅の計画を、ミレイユに話したのだ。
ミレイユは、ぼくの飼っているツバメだ。
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