物語のシュールさをガブリエル・パチェコが見事に表現
| 2017年03月27日 02:30 | 吉村正臣 |
Gabriel Pacheco ガブリエル・パチェコ (メキシコ)
Les musiciens de la ville de Brême
ブレーメンの音楽隊(グリム童話より)
フランス語 翻訳付
出版社:Minedition
メキシコ国立芸術学院付属演劇学校に学び、シルクスクリーンのディプロマを取得。1997年からイラストレーターとして活動しています。詩的で繊細な画風が認められ、数多くの国際コンクールに入賞しています。<Tres nińas>で韓国CJ絵本賞受賞、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞ノミネート、2007年ポルトガルのイラストレーションビエンナーレIlustrarteに選出。2007,2008,2011年ボローニャ国際絵本原画展に入選。<Hago de voz un cuerpo>で、2009年ボローニャ・ラガッツィ賞特別賞(New Horizon部門)を受賞。これまでに30冊近い絵本をメキシコ、スペインなどで出版しています。
おなじみの「ブレーメンの音楽隊」です。長年、飼い主につくした動物たち。お払い箱にされ、命からがら逃げ出します。同じ運命のロバ・犬・ネコ・ニワトリが出会い、ブレーメンをめざします。旅の途中、一軒の家を見つけ、食事にありつこうとすると、そこには泥棒たちが。ブレーメンで音楽隊に入団する目的は果たせなかったものの、それぞれの持ち味を生かし、泥棒を追い払い、幸せになる結末は、大人になっても楽しいです。
しっかり描けた絵ですね。さすがに、この作家はすばらしいです。全体に濃いグレーの空間に、動物たちや人間がリアルでありながら、巧みで愛着のあるデフォルメです。顔の表情がいかにも声を発しているよう。驚き、怒っている様がダイレクトに伝わります。筆で描いているのでしょうね、たいへん細やかで深さがあります。CGも使っているのでしょうか、グラデーションがキレイです。赤の色は美しい、所々使われるブルーがよきアクセントになっています。
≪翻訳の一部≫ 翻訳:泉 りき
ひとりの男が、ロバを一頭、飼っていました。ロバは小麦粉の袋を背中に乗せ、運んでいました。すっかり年を取り、力がなくなって、重い荷物を運べなくなりました。ロバが働かなくなったので、飼い主は、ロバの皮を剥ぎ、ひともうけしようと考えました。ロバは、飼い主のたくらみに気づき、逃げ出しました。そしてブレーメンの町に向かったのです。ブレーメンに行けば、音楽隊の仕事があるかもしれないと思ったからです。
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