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パリのオペラ座で子グマを探すお父さん。劇場はパニックに。

| 2019年07月22日 09:54 | 吉村正臣 |

Benjamin Chaud バンジャマン・ショー(フランス)

Une chanson d’ours
クマの父さん、オペラ座で歌う

 

フランス語 翻訳付
出版社:hélium

 

バンジャマン・ショー(1975年生まれ)の絵本作家、イラストレーターです。フランスのオート・アルプ地方ブリアンソン生まれ。スキー選手を夢見ていましたが、高校卒業後はパリ応用美術学校、ストラスブール装飾美術学校のイラストレーション科創設者で作家のクロード・ラポワントに学びます。絵本作家としてAlbin Michel, Actes Sud, Héliumなど著名な出版社から絵本を出版。1999年ボローニャ国際絵本原画展入選、2015年には同原画展の審査員に選出。さらに2015年この絵本Une chanson d’Oursで、ニューヨーク・ソサエティ・オブ・イラストレーターズから金賞を授与されました。

パリ・オペラ座の屋上で、30年以上前から養蜂が行われているのをご存じでしょうか?とれたハチミツは、オペラ座のおみやげとして、とても人気があります。さてこの絵本、オペラ座に住むミツバチを追いかけて、森からパリへやって来たクマのお話です。冬眠をしていたクマ親子のもとに、季節はずれのミツバチがやってきます。ハチミツが大好物の子グマは、ミツバチを追っていきます。目覚めたお父さんクマは、子グマがいないことに気づき大あわて。たどり着いた大都会・パリのオペラ座で子グマを探すお父さんクマですが、バレリーナ、オーケストラ、観客はパニックになります。

線で描く絵が巧みな人ですね。精密にリアルに描いているのですが、楽しくデフォルメをして愉快な画面を作っています。絵本のオーソドックスな分野の一角を守りながら描いています。画面構成が単純で、その中に、意外な形状の事物がうごめいているように描かれます。大きな枠組みがしっかりしているので、ごちゃごちゃ感がありません。うごめく様々なモノを、安心して、ひとつずつ見ることができます。この構成をしっかりさせることで、いわゆるマンガ(バンドデシネ)と、少し違ったイラストの世界が作られているようです。
各ページには、主人公のクマの親子が描かれています、どこにいるでしょうか?探してください。

<翻訳の一部>   翻訳: 泉 りき

冬が近づき、寒くなってきました。ほら穴はとても静かです。お父さんクマはすでにいびきをかいて、冬眠に入ったみたいです。そこへいきなり、冬支度がまだのミツバチがブーンと音を立てて、クマ家の玄関に突進してきたのです。
ミツバチがいるってことは、ハチミツにありつけるってことか。子グマはうれしくなって、ミツバチについて行くことにしました。

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