色彩の鮮やかさ、奇妙なデッサン、鋭い視線に圧倒される

｜ 2020年12月25日 20:30 ｜ 吉村正臣 ｜

Emmanuelle Houdart　　エマニュエル・ウダール　（パリ在住）

l’ARGENT
ラルジャン－お金

フランス語

まず、奇妙な絵に驚かされてしまう。この作家の作品は、常に意外で、ドキッとするものばかり、新しいショックに見舞われることが楽しくなって来ている。しかし、この人の発想源はどこにあるのか･･･よくこれほどアイデアが出てくるものだ！
次に、色鮮やか。マーカーの発色性の良さをいかんなく使っている、極細の線も、ぼかしも滲ませもマーカー、微細にていねいに塗っていて、ボリューム感も見事に作っている。
とくに、男性を描いた作品は客観視を感じる。女性の目で描いているからか？　人間の心や性質の裏側を、人体や生理への鋭い見方を、アートを通じて表現しているようだ。
ただ、彼女自身は、とてもおおらかで親切な、すてきな女性です。

彼女はスイス出身。ジュネーブの美術学校ほかで学ぶ。1996年からイラストと画家の仕事を始め、多くの雑誌・新聞に強い個性の作品を掲載。30冊以上の絵本を出版。マーカーを使った画風、動物と人間を混合する不思議な作品、人体に対する異常なイメージが注目され、展覧会にも招待される流行作家のひとり。

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