イラストレーション美術館・イラストレーション大賞・受賞作品
| 2020年12月29日 05:00 | 吉村正臣 |
Emmanuelle Houdart エマニュエル・ウダール(スイス・パリ在住)
Ma mère
母よ!
フランス語・ 翻訳付
出版社: Editions Thierry Magnier
スイス生まれ。現在は、パリ在住。1996年からイラストと画家の仕事を始め、多くの雑誌・新聞に作品を掲載。30冊以上の絵本を出版しています。2005年絵本Monstres maladesで、ボローニャ・ラガッツィ賞を受賞したほか、絵本Saltimbanquesで、モントルイユ絵本市最優秀賞を受賞しました。マーカーを使った画風、動物と人間を混合する不思議で奇怪な作品、人体に対する異常なイメージが注目され、世界各地の図書市や展覧会にも招待される流行作家の一人です。
この絵本Ma mèreは、フランス中央部の都市・ムーランにある、絵本イラストレーション美術館主催・第9回イラストレーション大賞を受賞しました
娘の目から見た、母という女性を描いています。喜怒哀楽がはっきりしていて、強そうで弱そうで。だけど子どもを守るためにいっしょうけんめい。母の巣の中でずっと過ごしていたいけど、母もひとりの女性。ときには羽根をのばしたい日もあります。娘が成長し、母との距離が離れても、母の愛情は永遠だと結ばれます。
テキストは非常に詩的で、イラストが表現している内容が重要です。直訳しても非常につかみづらいため、イラストに助けられながら、物語を解釈しました。
色彩がさわやかで、キレイな作品です。特に、花や木々が作品に優しさを与えています。この作家は、常にマーカー(フェルトペン)で描いていますので、濁りのない鮮やかさを保っています。もちろん細い繊細な線もマーカーの極細を使っています。また、女性が植物と同化したり鳥のようになったりと、大胆で奇妙なイメージの世界を描きます。彼女独特の表現です。読者に想像力を求めているようです。理屈抜きに、感覚でご覧ください。
≪翻訳の一部≫ 翻訳:泉 りき
わたしのお母さんは、強いようで弱い。
喜びや楽しさを全身で表現する悲しみや怒りも。
ささいなできごとに幸せを感じたり自然に育った草花のように
いつまでも世間に染まらないところがある
人見知りだったり、言うことをきかなかったり
お父さんとわたしは、そんな母をなだめたり、すかしたり。
ふたりだけの居場所を作り母はわたしを守ってくれる
そこはいつもあたたかい。
できればずっと、ずーっとこうしていられたら。
すみません、せっかくですが売り切れました。お取寄せいたします。
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