鳥たちがまとう衣裳の美しさは、まさにオペラ!豪華な絵本。
| 2021年04月09日 16:38 | 吉村正臣 |
Vanessa Hié ヴァネッサ・イエ (フランス) L’opéra Volant 空飛ぶオペラ フランス語 翻訳付 出版社:RUE DU MONDE
イラストレーターのヴァネッサ・イエは、1974年パリ生まれ。フランス国立応用工芸美術学校で学びました。これまでに数十冊の絵本を出版しています。油彩、チョークなどさまざまな画材、さまざまな道具と紙を選び、組み合せるのが特長です。 彼女の代表作となるこの絵本は、歌うこと、演じること、踊ることに魅せられた鳥たちの物語。
生まれたときから「自分はアーティスト」と自負してやまない主人公のオアゼル。同じアーティストの鳥たちとともに、世界中でオペラを上演し、ほかの鳥たちに見せようと奮闘します。鳥たちがまとう衣裳の美しさは、まさにオペラ! 大型絵本ならではの迫力があります。
エキゾチックというかミステリアスというか、とてもいい絵です。鳥が見事に擬人化されています。楽しそうな顔、優しい顔、こわい顔、注意深く描かれています。洋服がすばらしい、デザインも、模様も、色彩も。オペラの出演者ですから、クラシックな衣装を、モダンにアレンジしています。こんな洋服、おしゃれな人に着てほしいですね。木々や花もいい色をしています。 描き方は、繊細に鳥の顔や洋服を描いています。細い鉄のペン軸を使ったような鋭い線。不透明水彩でしっかり塗った絵の具面。コラージュも一部使われているのかな。CG処理もあるよう。また、空、地面など広い面は大胆に描かれ、繊細さを引き立てています。 パリの見本市で、注目された絵本だけのことはあります。
≪翻訳の一部≫ 翻訳:泉 りき
大きくなると、オアゼルは日々、自分がアーティストだと感じていました。 ふざけて、森を飛び回るのが得意でした。 感じたことを言葉にすると、空へ飛んでいきます。 やっかいなのは、くちばしを開けて歌うときです。 頼むから、歌うのはやめてほしいと、まわりから言われます。 「もう、やめてって。ヘンだよ。固いものを飲み込んで苦しんでる、ニワトリの声みたい」 ツグミはあきれ顔でいいました。
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