ピュイバレの作風が美しく示された、愛の絵本です
| 2021年10月09日 01:09 | 吉村正臣 |
Éric Puybaret エリック・ピュイバレ(フランス)
La naissance du Printemps
春の誕生
フランス語 翻訳付
出版社:BALIVERNES
パリ出身のイラストレーター、エリック・ピュイバレ(1976年生まれ)。パリ国立高等装飾美術学校でイラストレーションを学びました。1999年ボローニャ国際絵本原画展に入選。フランスの有名出版社から絵本を出版し、子どもからおとなまで多くの読者を獲得しています。日本では2004年「月と少年」が出版されました。柔らかい色調で描かれるイラストが、幻想的で夢のような世界を創りあげています。最新作であるこの絵本は、ギリシャ神話に題材を得た恋のお話です。
ギリシャ神話に登場する、アテネの王女オーレイテュイアと北風ボレアスの出会いと恋を、独自の解釈で描きました。周囲をさまざまな色に染め、踊ることが得意な美少女オーレイテュイア。凶暴で冷淡と評判のボレアスに、恐れることなく向き合います。オーレイテュイアに出会い、荒ぶる気持ちが消え、やさしい風になったボレアス。オーレイテュイアもボレアスと過ごすことで、安らぎを得るのです。何もなかった大地を、オーレイテュイアもボレアスは花でいっぱいにします。花の種が大地に落ち、新たな花が咲くように、やがてオーレイテュイアもボレアスに、新しい命が誕生します。それは「春」という季節でした。
ピュイバレの特徴がよく出た作品です。彼はPCを使わず昔からこの作風で発表しています。個性派ぞろいのフランスイラスト界にあり、独特の世界でファンを集め、新作が発表されると、店頭に平積みされるほどの人気作家。
微細なところまで、ていねいに繊細に描かれています。そして色もきれい、透明感があり澄んだ色彩です。細やかなグラデーション、光のニュアンスは絶妙で、ファンタジックでもあります。風、空、少女の動きが音楽のように流れ、すてきです。
《翻訳の一部》 翻訳:泉 りき
この世の歴史は、人類が登場する前に始まった。
空は曇っておらず、晴れてもいない。気温は極度に暑くもなく、寒くもない。
空に透明の雲がかかっているように、全体に白みがかった天候だった。
この世の歴史は、人類が登場する前に始まった。そこには神々だけがいた。
北欧神話の空気・火・大地の精であるエルフたち、フランスのおとぎ話に登場する妖精リュタン、キリスト教の神、ギリシャ神話のサティキュロスやティタン、不死鳥フェニックス、オーレイテュイアらである。オーレイテュイアは、笑顔がまぶしい美少女だった。
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