ニコレッタ、27才頃の作品。今日は大きく変遷しました。

｜ 2023年06月30日 05:00 ｜ 吉村正臣 ｜

Nicoletta Ceccoli　ニコレッタ・チェッコリ（サン・マリノ）

LA BAMBINA BIANCA
湖の白い少女

イタリア語・翻訳付
出版社：Edizioni Arka

イラストレーターのニコレッタ（1973年生まれ）は、イタリア内にある小国、サンマリノに住む、人気作家。イタリア・ウルビーノの州立美術学校（映像アニメーション学科）を卒業。ブラチスラバ世界絵本原画展、ボローニャ国際絵本原画展入選。イタリアのアンデルセン賞で、最優秀イラストレーターに選ばれました。また米国コミュニケーション・アーツ優秀賞を受賞。フランスの3Dアニメーション映画『La mecanique du couer』のキャラクターデザインを担当。少女のファンタジックな世界を描いています。イラスト・ユーロも多くの作品を取り上げています。

文章はマリア・ヴァーゴ（Maria Vago）、イタリアの最北、コモに在住。教育学を専攻した後、10年間イタリア語の教師、さらに10年間は子供向け新聞の記者をしました。多くの児童書を執筆。冒険と魔法が彼女のお気に入りのテーマです。

作品は、2000年に出版されたもの。ニコレッタ27才の作品です。現在の作風を思わせる箇所は見当たりません、わずかに少女の顔にある程度か。横顔で、額から鼻の線、眉毛から落ち込んだ目、高い長い鼻など彫刻のようでもあります。イタリア作家が描く顔はこれに近いよう、ニコレッタはイタリアの美術学校で学んでいるので、学んでいた時代の画法がこの作品に現れているように見えます。

塗りこんだが深い色彩が美しく、また不気味さを漂わせ、物語に忠実に表現しています。

＜翻訳の一部＞　翻訳：泉　りき

インディアン・スー族の土地に太陽が輝きます。ノッチョリーナは羽のように軽く、ウサギのように速く凍った湖の上を滑ります。木製スケート靴は氷の上に幻想的な姿を描きます。 「なんて美しいの！」 と言いながら、湖の中心に向かってどんどん進みます。中央の氷は滑らかですが、もろくて薄いのです。

あっ、割れ目が！突然、足元の氷が割れました。ノッチョリーナは叫び声を上げて、水中に消えました。どんどん下へ落ちていきます。

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