ヨーロッパの一流イラストレータ イタリア、フランス、ベルギー、ドイツで活躍中のアーティストを紹介
   
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巧みな本作りをしています。いろんな国で出版されています。

| 2023年08月31日 05:00 | 吉村正臣 |

Jarvis  ジャービス(イギリス)

Les enfants, Papa est rentré !
メガネをなくしたモグラのパパ・モーリス

フランス語 翻訳付
出版社:Little Urban

 

ジャービスはグラフィックデザインを学び、学位を取得してから、すぐにロンドンの小さなスタジオで音楽のデザインをする仕事に就きました。レコードスリーブのデザイナー、ウェブサイトのデザイナー、作画監督を務めた後、子供向けの本のイラストレーター兼ライターに。本の表紙のデザイン、本のイラスト、イラストジャーナリズムの3つの分野で表彰する英国で最も権威のあるイラストレーションコンテストV&A Best Illustrated Book(2017年)を受賞。彼にはノミネートされたことは大きな驚きだ「 私が作る本はたいてい面白くてドタバタです…必ずしも賞をいただけるものではありません」と言います。
ニューヨークタイムズは、彼のことを「機知に富んだ作品」と評価しています。
制作方法としては、イメージやキャラクターを念頭に置き、そこからストーリーを引き出し、納得いくまで下書き繰り返します。イベント、学校訪問、文学祭、書店訪問に出かけ、子供たちに会うことを大事にしています。現在は妻と犬と猫と一緒にマンチェスターに住んでいます。

キャラクターの発想が、絵本作りの始まりです。この絵本は、モグラのユーモラスなカラダから。擬人化されたお父さんが、次第に動き出し、子供たちが描かれ、そして奥さんや住みかが、物語が展開されます。さらに、いたずら心も。例えば、お父さんの勤めるレストランの名前。『レストラン:ジョエル・ラビュション』は、きっと『有名レストラン ジョエル・ロビュション』をもじっているのでしょう。楽しい物語です。

絵も愉快ですね。しっかり描いた下塗りに、単純化された形のキャラクターが描かれています。キャラクターは別の用紙に描かれ切り抜かれ貼られているようです。筆のタッチを生かし、動きを表現しています。色彩もきれいです。ブルー系で構成する中、ピンクの背景を背にする絵が挿入され、巧みな本作りをしています。いろんな国で出版されています。

<翻訳の一部>    翻訳:泉 りき

一日中働きづめで、モーリスことモグラのパパはすっかりお疲れ。足はくたくた、目はチクチク。
<レストランの看板:ジョエル・ラビュション>
(有名レストラン ジョエル・ロビュションをもじって)
<今日のおすすめ:ラ・グー(煮込み料理 ラグー ragoutをもじって)>

はやくモグラのママや子どもたちに会いたくて、家路を急ぐ。
「えぇーい!メガネはどこへいったんだ」
モーリスはあちこち探すが、見つからない。
「ちくしょう!仕方ないか。帰り道ならだいたいわかってるし」
モグラのパパは、穴を掘り出す。

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