ファニー・デュカセが、ミステリー絵本を出版しました
| 2023年09月25日 05:00 | 吉村正臣 |
Fanny Ducassé ファニー・デュカセ(フランス)
LA CROISIÉRE d’Amanda Coeur
警部アマンダ・クールのクルージング
フランス語:翻訳付
出版社:EDITIONS THIERRY MAGNIER
1986年生まれのファニー・デュカセは、学位を取得するまで現代文学を学びました。この分野で成功を収めましたが、絵を描くことや服飾のセンスを発揮したく、ファッションの名門校・パリ・クチュール組合学校で学び、次第にイラストレーションと子供時代の世界に強い魅力を感じ、イラストレーションの世界に入った異色の経歴の持ち主です。イラスト・ユーロでは、彼女の多くの作品を紹介しています。
主人公のアマンダ・クールはベテランの警部。捜査のために思いがけない場所を嗅ぎ回るのが大好き。遊園地で不審な男の足取りを追い、相棒のトカゲ・セヴランと豪華客船のアトラクションに乗り込む。ウエルカムパーティに集まる乗客はみな、わけありげ。容疑者らしき男はピアニスト?サイコロを振って運命を占う男、色が消えたとつぶやく地味な服装の女性、双子の老姉妹…サクランボやサイコロの色「赤」がテーマに物語が展開。遊園地のアトラクションは次第にほんものの豪華客船になり、海を渡っていく。奇想天外なお話です。
絵は、彼女らしい繊細な線、精密に描かれていても、ファンタジックな事物があふれています。片ページいっぱいに、植物があふれる室内に美しい女性。また遊戯具や家族ずれで賑わう遊園地、豪華なクルーズ船などが描かれます。一方の白地の文字ページは、アール・デコ調のレイアウト、文字書体に工夫があります。すみずみまで、ファニー・デュカセの作風に満ちた作品です。
≪翻訳の一部≫ 翻訳:泉りき
綿菓子の甘いにおいが漂い、メリーゴーランドで遊ぶ子供たちの歓声、絶え間なく繰り返すイルミネーションの中、サングラスをかけた警部アマンダ・クールは捜査を進める。手がかりを求めて目を大きく見開き、通路という通路を歩き回る。捜査にとりかかるとアマンダは暗い穴に入り込んだ気持ちになり、いくつもの謎に出くわし、まだ見ぬ容疑者と対決することを思い描く。
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