夢見がちで孤独な少年と、像の友情の物語です。
| 2024年01月29日 05:00 | 吉村正臣 |
Delphine Jacquot デルフィーヌ・ジャコ (フランス)
UN ÉLÉPHANT À NEW YORK
ニューヨークに像がいる
フランス語:意訳付
出版社:SEUIL JEUNESSE
1982年生まれ。フランス西部・レンヌの美術学校で、広告グラフィックデザイン、レイアウトを学びました。その後3年間、ブリュッセルの美術学校でイラストレーションのコースを受講しました。帰国後まもなく、大手出版社からデビュー作を出版します。コラージュ、鉛筆、マーカー、アクリル絵の具などを組み合わせて制作。
2014年、ムーランのイラストレーション博物館が授与するイラスト部門のグランプリを。その後、数々の賞を得ています。すでに20冊近い絵本を出版。パリ郊外に住んでいます。
ある朝、ジョンは家の前で象を発見。最初は驚きましたが、友だちがいない彼は像と友だちになりました。 彼は像を近所に案内し、公園に連れて行きます。 街中では、この奇妙な二人組に驚かれる人は誰もいないようです。この夢のようなニューヨークの散歩に喜んで夢中になりました。この出会いのおかげで、少年は友情の喜びを発見します。
このイラストレーターらしい、特徴のよく出た作品です。
色鉛筆でていねいに形づくり、そして塗りこんでいます。一部に水彩透明絵の具も使っているのでしょう、色彩に深さを出しています。PCも使われているのかな?何より省略された大胆な表現が魅力です。
像の大きな体、目の表情が愛らしい。特に、街ですれ違う人々の動作や表情が、単純な表現ですが、生き生きとしてよくかけています。いい絵です。
<抄訳の一部>
ジョンが家を出ると、象がいた! ええっ! 驚いた。
ニューヨークの街にゾウがいるなんて、ありえない!
動物園なら、いるよね。サーカスでも。しかし、家の前にいるなんて、あり得ないことです。
それでも、象はそこにいる! そして家の前の大部分のスペースを占有しています。
ジョンは走って両親に知らせました。
両親は、それは夢だよ、夢を見ていたに違いないと説明しました。
両親は息子のことをよく知っています。ジョンは夢を見る子だったのです。
彼は、寝室の窓の前で、何時間も空を見上げていました。何もないときでも。
毎朝、歯を磨くのにとても時間がかかります。
夢見ながら磨いているからです。
このことは、大きくなっても続いていていましたが、学校では普通の子でした。
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