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フランス後期印象派を愛するローラン・コルヴェジエ作

| 2024年06月17日 05:00 | 吉村正臣 |

Laurent Corvaisier ローラン・コルヴェジェ(フランス)

Arbres

フランス語:翻訳付
出版社:Hachette Livre

 

画家、イラストレーターとしてパリで活躍する、ローラン・コルヴェジエ。フランスの港町ル・アーヴル出身(1964生まれ)で、パリ装飾美術学校を卒業。1995年から母校の教授を務めています。青少年向けの本を多数出版し、子供向け出版社でも活躍。ボローニャ国際絵本原画展の審査員にも選ばれました。

“色彩といいフォルムといい、あなたの絵は、モダンな印象派ですね”と話すと、とても喜び、堰を切ったように話し出した。
「僕の生まれは、印象派の誕生の町、ル・アーブル。印象派の画家から多くを学んだ。その評価は大変光栄である。とくにボナールが好きだ」と言います。

「Arbres木」をテーマにした、フランスの国民的な詩人たちの詩が集められ、コルヴェジエが描きました。詩から触発されたイメージを、絵画作品として昇華されています。
掲載された詩人たちは以下の通り。
ジャック・プレベール、アドルフ・レテ、ジュール・シュペルヴィエル、
アンリ・ド・レニエ、ギョーム・アポリネール、ジャン・コクトー、
ルネ・ギイ・カドゥ、ジャン・ジオノ、エミール・ヴェルハーレン、
テオフィル・ゴーティエ、マリー・ド・フランス、ポール・クローデル、
モーリス・カレーム、ジャン・ド・ラ・フォンテーヌ、
ミッシェル・トゥルニエ、アントワーヌ=ヴァンサン・アルノー

コルヴェジエらしい作品です。鮮やかな色彩が、気持ちワクワク、楽しくしてくれます。
たっぷり絵の具を筆につけ、板の上に、自由に、大胆に塗ります。時には板の木地をそのまま見せ、また、重ね塗りをして、また、引っ掻いて。子供の絵のように自由・・・でも、デッサン力や構成の力がないとこうはいきませんよね。うまい!

≪翻訳の一部≫   翻訳:南乃まあ

=翻訳において、掲載の詩は、飛躍や比喩、暗喩が多く、書かれている文章をそのまま訳すことはできませんでした。それを参考にしながら、日本語に置き直してみました=

リンゴが垂れ下がった木がある
たくさんな赤い実はまるで花火のよう
心配そうに震えるポプラの木
ほんの少しの風とともに

岩の間のいかめしい松
深いざわめきが広がる
優美な柳が揺れ
川にその髪を浸す

庭のアカシアが
日差しを浴びて香ばしい房を揺らす
小道に並ぶ優しくニレの木
ビロードのような苔をまとって腕を伸ばす

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