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グリム兄弟の「ブレーメンの音楽隊」をモダンに描きました

| 2024年06月10日 05:00 | 吉村正臣 |

Fanny Dreyer ファニー・ドレイエ(スイス)

Les Musiciens de Brême
ブレーメンの音楽隊

フランス語・翻訳付
出版社:JOIE DE LIRE

ファニー・ドレイエは1987年スイス、フランス語圏のフリブール生まれ。 地元のサンミッシェル・カレッジでイラストレーションの修士号を取得。在学中、短編アニメーション映画の見習いデザイナーを経験。その後、ベルギーのブリュッセル王立美術アカデミーに入学し2011 年に修士号を取得。リアリズムと素朴さを持ち、大胆な色使い、シンプルな紙の鉛筆とインクまたはアクリルを混ぜた技法を好みます。現在、スイスとブリュッセルを拠点に活動中。

「グリム童話」で知られたドイツのグリム兄弟の有名な作品です。
ブレーメンからほど近いある村に、粉引き職人がロバと暮らしています。ロバが年老いたので、主人はロバを殺して皮を取り返すことにしました。しかし、夜になってロバは逃げ出した。ロバはブレーメンへ行き、音楽家になろうと決心します。その道中、同じ境遇の老いたイヌ、ネコ、ニワトリに出会います。彼は、彼らに自分についてくるよう勧める。ある晩、4匹は泥棒が住んでいる家を発見する。彼らはその家を手に入れることを決意します。

ファニー・ドレイエの非常に生々しい、素朴でカラフルな作風は、古くから親しまれた寓話に新しい感性を与えています。
仕事ができなくなったら殺してしまうという物語の発端。今の社会も変わりませんね。捨てられる弱い人々がどのように、楽しく生きていくかが示されます。
人間の生活に馴染みの深いできごとを見せ、比喩によって諭すことを意図した物語ですね。

≪翻訳の一部≫ 翻訳:泉りき

ひとりの粉ひき職人がロバを飼っていました。ずいぶん長い間、小麦粉の袋を背中に乗せ運んでいました。さすがに年をとり、力が衰えてきました。だんだん働けなくなってきたのです。

粉ひき職人はロバを処分しようと考えました。ロバは飼い主のたくらみに気づき、逃げ出しました。ロバはブレーメンの街に向かいます。その街に行けば、音楽隊の仕事があるかもしれないと思ったからです。

♪ 小麦粉は重すぎた 歌いながらブレーメンをめざそう ♪

歩き出してしばらくすると、道ばたで横になっている一頭の狩猟犬に会いました。イヌはうめき声を上げていました。走りすぎて死にそうな声でした。
「どうしたんだい?そんなに泣いてるの」ロバはたずねました。

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