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インドのラージャスターン州、ジャイプル市の湖に王国があります

| 2024年09月14日 21:00 | 吉村正臣 |

Laurent Corvaisier ローラン・コルヴェジェ(フランス)

Le Royaume du lac
湖の王国

フランス語:翻訳付き
出版社:ALBIN MICHEL JEUNESSE

文:Vrginie Lagarde / Ralph Nataf

 

画家、イラストレーターとしてパリで活躍する、ローラン・コルヴェジエ。フランスの港町ル・アーヴル出身で、パリ装飾美術学校を卒業。現在は母校の教授を務めています。ボローニャ国際絵本原画展の審査員にも選ばれました。

“色彩といいフォルムといい、あなたの絵は、モダンな印象派ですね”と話すと、とても喜び、堰を切ったように話し出した。「僕の生まれは、印象派の誕生の町、ル・アーブル※。印象派の画家から多くを学んだ。その評価は大変光栄である。とくにボナールが好きだ」マチス、ブラマンク、ゴッホ、ゴーギャンらが好きだと言います。

物語は・・・かつて、インド北部のマン・サガー湖の奥深くに謎の王国が隠れていました。高い壁と黒い水が住民を他の世界から守っていました。
ある日、モヒニ王女は好奇心に駆られ、王の禁止令を無視して王国の国境を越えて冒険を始めました。マン・サガー湖の頂上には、地球と呼ばれる広大な世界が存在し、ここには、バラ色の町ジャイプルがあり、マハラジャ王が君臨していていました。
モヒニ王女と兄のマニラム王子とマハラジャ王の友情が、湖を舞台に繰り広げられます。

筆にたっぷり絵の具をつけ、ぐいぐいと描いています。デッサン力のしっかりした人ですから、人、建物、海などきちんと描かれた上で、崩されています。しかし遠近感や質感は見事に表現されています。ガッシュでしょう、絵の具の性質が存分に発揮されています。
彼らしい特徴がよく出た作品です。

≪翻訳の一部≫ 翻訳:南乃まあ

インド北部のラージャスターン州、ジャイプル市の近くに、マン・サガー湖と呼ばれる大きな湖があります。
その昔、マン・サガー湖の水面の下には城が隠れていました。
真珠貝とサンゴでできた町は、神々によって海から奪われ、湖の底に沈められたかのようでした。柔らかな光が貝殻の城、互いに寄り添う小さな白い家々、そして広大な庭園。王国の周りには岩の壁がそびえ立ち、壁の後ろで光が消え、マン・サガー湖の黒い水がせり上がっていました。
湖の王国では、すべてが穏やかで静かでした。
天気さえも休んでいるように見え、湖の青い柔らかさに癒されていました。海藻でいっぱいの庭園では、背の高い彫像が街を見守っています。

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