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人、動物、木々・・・表現力豊かなナタリ・フォルティエの作品

| 2024年11月15日 21:00 | 吉村正臣 |

Natali Fortier ナタリ・フォルティエ  (フランス在住)

pas l’ombre d’un loup
変装したオオカミ

フランス語・意訳付
出版社:rouergue

 

ナタリ・フォルティエは米国生まれ(1959年)で、カナダのフランス語圏・ケベック出身のイラストレーターです。現在は、フランス在住。ケベックのサン・ジャック美術学校を経て、サンフランシスコ美術学院、パリ国立高等美術学校(ボ・ザール・パリ)で学びました。2004年絵本でボローニャ・ラガッツィ賞を受賞。つづいてで、フランスの絵本賞オクタゴヌ賞、高校生が選ぶゴンクール賞を受賞しました。造形作家としても有名です。2019年のパリ(モントルイユ)絵本市では、Forêt noireのイラストレーションが、特別コーナーに展示されました。

季節の反対側、セントローレンス川を越えたところに住んでいる祖母からの知らせがなく、心配しています。両親は見舞いに行く時間がないので、マルセルとジゼルの二人の子供が金色のウグイスに導かれ、クジラに助けられながら季節を越えて進みます。
隅々に危険が潜んでいるような道を、オオカミを恐れながら、四季を越えなければなりません。そしてたどり着いた家にはオオカミが・・・。

絵が上手な人です。使っている画材は皆さんもおなじみのモノ。日本でいうクレパス、鉛筆、パステル…ごしごし描いて水性絵の具を塗り、こすりとったりして調子を出しています。デッサン力のある人なので、その線や色がキレイで、いい絵となっています。人、そして動物たちが擬人化され描かれます。全て特徴があり個性的。上手ですね。この絵本は、ナタリ・フォルティエが文章も書いています。

≪意訳の一部≫ 


それはパーティーの翌日のことだった。
マルグリットとユスターシュが踊っていた。
まだ頭と心には、有名なオーケストラによって演奏された、魂を揺さぶる音楽が残っている。
しかし、お父さんのユスターシュはしわくちゃの顔で、「いつもならおばあちゃんのリゼットは、お祝いの言葉を言いに、きちんと着飾って香水をつけてやってくるんだけどな」とぶつぶつ言う。
一緒にジグを踊ろう、最高に楽しいよ。
でも、とても心配。私の誕生日に何もしてくれないなんて、おばあちゃんらしくない。どうしたらよいだろう、心配で心配で。

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