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マリア・バッタリア『くるみ割り人形とネズミの王様』を描く

| 2024年05月24日 09:00 | 吉村正臣 |

Maria Battaglia マリア・バッタリア (イタリア)

Schiaccianoci e il Re dei Topi
くるみ割り人形とネズミの王様

イタリア語:意訳付
E.T.A.ホフマンの童話より 文:Vivian Lamarque
出版社:FABBRI

 

マリア・バッタリアは、小学校教諭を経て、イラストレーションを本格的に学ぶため、ミラノのヨーロッパ・デザイン学院に入学。イラストレーションを学んだ後、子供のための絵本を中心に活動。主にイタリアとフランスで作品を発表。ブラティスラバ国際絵本原画展やボローニャの常連でした。「魔笛」はアンデルセン2000年最優秀イラストレーション受賞。
イラスト・ユーロのコーディネートで小澤征爾氏のオペラ公演のメインビジュアルに作品を提供。スローフード発祥の地、ブラに住んでいます。

原作は、E.T.A.ホフマンの『くるみ割り人形とネズミの王様』で、1816年に『少年童話集』いう単行本に収録されたものです。チャイコフスキーのバレエ『くるみ割り人形』の原作として知られています。
ホフマン(1776-1822)は、ドイツの作家、作曲家、音楽評論家、画家、法律家。文学、音楽、絵画と多彩な分野で才能を発揮しました。

物語は、クリスマスイブの日、名付け親であるドロッセルマイアーおじさんからもらった「くるみ割り人形」を、マリアは大変気に入りました。ところが、フリッツが大きな胡桃を無理に割ろうとして、くるみ割り人形を壊してしまいます。マリアはくるみ割り人形を手当てし、寝かせてあげます。マリアが寝室へ行こうとすると、あたりの様子が変わり、7つの頭に7つの金の冠をかぶったネズミの王様が、ネズミの大群を率いて現れました。すると、くるみ割り人形も動き出し、おもちゃの兵隊たちを率いて、ネズミ達との戦いが始まりました。・・・

絵は、マリア・バッタリアの特徴がよく出た仕上がりとなっています。

≪意訳の一部≫ 意訳:南乃 まあ

それはクリスマス・イブでした。 マリアとフリッツは寝室の窓から、空から降る雪を眺めていました。
外のすべてが白く美しく染まっていました。 コマドリが窓に触れた枝から、「お腹がすいた!寒い!」と言わんばかりに彼らを見つめました。

いつものようにクリスマス・イブには、大広間で準備が進んでいる間、子供たちは部屋から出ないよう命じられています。
しかし、マリアとフリッツは、大広間から聞こえる物音を一つも聞き逃さないよう壁に耳をそばだてていました。

「聞こえた?クリスマスツリーが届いたのよ!」「聞こえる?窓のそばでツリーを引きずっている!」「飾り棚を開けている、聞こえる?」
名付け親が到着したようです。

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