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バレエで有名な『火の鳥』をマリア・バッタリアが描きました

| 2024年12月13日 05:00 | 吉村正臣 |

Maria Battaglia マリア・バッタリア (イタリア)

L’Uccello di Fuoco
火の鳥

イタリア語:抄訳付
文:Vivian Lamarque
「ロシアの民話集」より

出版社:FABBRI EDITORI

 

マリア・バッタリアは、小学校教諭を経て、イラストレーションを本格的に学ぶため、ミラノのヨーロッパ・デザイン学院に入学。イラストレーションを学んだ後、子供のための絵本を中心に活動。主にイタリアとフランスで作品を発表。ブラティスラバ国際絵本原画展やボローニャの常連でした。「魔笛」はアンデルセン2000年最優秀イラストレーション受賞。

イラスト・ユーロのコーディネートで小澤征爾氏のオペラ公演のメインビジュアルに作品を提供。
スローフード発祥の地、ブラに住んでいます。バルセロナ、テヘラン、台北での展覧会や、国際展覧会でも活躍しています。

文章は共同作業の多い、ビビアン・ラマルクさん。ラ・フォンテーヌ、ヴァレリー、プレヴェール、ボードレールの翻訳を手がける。文学賞の受賞も多く、童話でもアンデルセン賞(2000年)などを受賞しています。

この絵本は、ロシアの民話。アレクサンドル・アファナーシェフの編纂した『ロシア民話集』に収められています。
また、この原作を、イーゴリ・ストラヴィンスキーが1幕2場のバレエ音楽、およびミハイル・フォーキンが台本を仕上げました。フォーキンは『火の鳥』と『ひとりでに鳴るグースリ』という民話を組み合わせたと言うことです。1910年が初演、有名な作品となりました。

絵は、マリア・バッタリアさんの個性が出た、淡いパステルの色調で表現された美しい作品です。

≪抄訳の一部≫  抄訳:南乃 まあ

読者の皆さん、最も美しい庭園を想像してみてください。

美しい庭園の真ん中に、素晴らしいリンゴの木があり、金色のリンゴができました。この庭園は、王様のヴィスラフのものでした。
王様の最大の楽しみは、大きなリンゴの木の前に座り、枝や葉の中に、金色のリンゴの輝きを眺めることでした。
あまりに美しすぎたので、王様は金色のリンゴを採りませんでしたが、日に日に金色のリンゴは減っていきました。
「泥棒がいるぞ!誰だ!」王様は兵士たちに昼も夜も見張りを続けるよう命じ、ついに泥棒は発見されました。
泥棒は人間ではなく、水晶のような目と金の羽を持った、美しい火の鳥だったのです。

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