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アルゼンチンの作家。老人の老いに向き合う感動的な物語

| 2024年10月07日 10:00 | 吉村正臣 |

María Elina マリア・エリナ(アルゼンチン)

Ma grand-mère
ボクのおばあちゃん

フランス語:翻訳付
出版社:Obriart

マリア・エリナは1975年アルゼンチンのブエノスアイレス生まれ。ブエノスアイレス大学で画像および音響デザイン学び、造形芸術、舞台美術、イラストのワークショップに参加。現在、彼女はイラストの仕事に専念し、アルゼンチン内外のさまざまなメディアで作品を発表しています。

少年と、老いに伴う混乱や記憶喪失を持つおばあさんとの優しく感動的な物語です。
少年は、長い間会っていなかったおばあさんに、会いに行きます。母親は、おばあさんは変わったよ、行動も違うよ・・・と言っていました。確かに、少年はそれに気づきますが、おばあさんはもっと面白くて、話したい話がたくさんあるようでした。

絵は少年とおばあさんのふれあいをメインに、庭仕事で登場する、草木や虫たち、それにネコらがシンプルに描かれます。
優しい風合いのある画用紙(コットン紙か?)の地がきれいで、広い空間を感じさせます。
そこに、水彩絵の具の水分を含んだ淡い部分、濃い部分が、ていねいに描かれています。それに加えて、色鉛筆のような線、さらに油性のパステルで、繊細に、また腕の動きのまま大胆に描写されています。主人公の少年が描いたような絵・・・と解説した評論家もいました。

≪翻訳の一部≫  翻訳:南乃まあ

ボクのおばあちゃんが、ボクの名前を忘れてしまった。

長い間会っていなかったから、会いに行ったんだ。家に着くと、おばあちゃんは庭で植物の植え替えしていた。
おばあちゃんは手を汚すのが大嫌いだったので、どうしたのかなと思った。

ボクを見て、最高の笑顔で「こんにちは、シャルル!」
シャルル?
ママは、おばあちゃんは物忘れがひどくなってきたと言っていた。
だから、シャルルじゃないって言わなかったのだ。

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