説明的なイラストと言うより、水彩画作品と言うべきだろう
| 2024年10月29日 05:00 | 吉村正臣 |
Clarisse Lochmannクラリス・ロックマン(フランス)
Même les crocodiles n’ont pas sommeil
ワニも眠らない
フランス語:翻訳付
出版社:cépages
クラリス・ロックマンは1990年生まれ、フランス・ナント出身のイラストレーターです。
グラフィック・デザインを学ぶために2008 年にパリに。学位を取得後、スペインのバルセロナで、その後パリの劇団でもデザイナーとして働きました。子供向けのイラストに対する思いが強くなり、2019年に最初の本を出版。
この本は、作家ステファニー・ドゥマス・ポティエとの2度目のコラボレーションです。
現在は、リヨンで活躍しています。
文章は、1972 年生まれのステファニー・ドゥマス=ポティエは文学を学び、青少年部門の図書館司書として働きながら、執筆を始めました。多作な作家で、多くの絵本を出版しています。パリ近郊に住んでいます。
物語は、嵐の空の下、車で帰宅した家族は、とても奇妙な出会いをします。大きな何かが道を歩いています。よく見るとワニの家族!彼らは夜道に迷って何をしているのでしょうか?
絵に特徴があります。出版社の案内では、「伝統的な技術とデジタル技術を組み合わせ、インクを使って作品を制作し、ぼやけたり動いたりするカラフルな画像を作成します。」
鉛筆で、画用紙に粗く1本の線でスケッチを描きます。これに、透明水彩で着色します。際立てたいところだけ、さっとひと塗り、さらに重ねて塗るところも。省略された、色彩の組み合わせが“説明的な絵”ではなく、“絵として独立した作品”を目指しているようです。
≪翻訳の一部≫ 翻訳:南乃まあ
あの日、ボクたちはマルセルおじさんのところからトランクいっぱいに食料を積んで帰ってきていた。車にはママとパパ、弟のジョジョ、犬のスコットとボクが乗っていた。
本当に楽しい一日を過ごし、疲れ始めていた。ジョジョとボクは毛布にくるまって、すぐに眠ってしまった。
眠りから目覚めさせたのは雷雨だった。空に走る稲妻を見ていて眠れなかった。
気晴らしをするためボクはゲームをした。できるだけ遠くを見て、目に入ったものをすべて頭の中で説明するのだ。
もう真っ暗だった。雨がどんどん降ってきた。
場所によっては、通り抜けるのが難しくなった。水はボクたちを取り囲もうとしているようだった。
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