ヨーロッパの一流イラストレータ イタリア、フランス、ベルギー、ドイツで活躍中のアーティストを紹介
   
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私たちを本質である愛へと連れ戻してくれます。

| 2025年02月23日 21:00 | 吉村正臣 |

Csil  シル (フランス)

Ne rien faire d’autre que d’être heureux
ふたり-幸せだったらいいじゃない

フランス語:翻訳付
出版社:La Joie de Lire

 

シル(1977 年生まれ)は、イラストレーター兼グラフィックデザイナーです。彼女はフランス北方ベルギーとの国境のアルデンヌ地方に住み制作に励んでいます。
詩的で風変わりな世界の中を形と色を織り交ぜて表現し、奇妙なキャラクターが出現させます。ドライポイント作品には定評があります。ニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞を受賞。

文章は、ブノワ・ブロワイアールは 1973 年ランス生まれ。作家であり、漫画本の脚本家です。

愛の物語です。他人と比較したり、他人から奇異な目で見られたり、たいへん傷つきます。しかし、ここに出てくるカップルは深く悩みながらも、自分たちの関係を他人と比較したり模倣したりすることなく、独自の価値観を大切にしていることが強調されます。非常に成熟した愛の形を感じさせます。恋愛関係を超えた、長い年月を共に歩んできたことによる相互の信頼と尊重。ユーモアと真摯さが絶妙に絡み合った、心温まる対話だと思います。

細い鉛筆で描かれた白黒の動物のペア。カラフルな幾何学模様の衣服を部分的に着ています。くっついて抱き合う体。一緒にいることの喜びを表現するのに、なんと素晴らしい言葉と絵でしょう!ウサギとアナグマが白目をむいて見つめ合ったり、ライオンがハトの肩をつかんだり、2頭のキリンが水着で抱き合ったりと、異様な取り合わせ!最もありそうもない組み合わせで、愛には基準がないことを示します。

<翻訳の一部>   翻訳:泉 りき

「長い間だよ、とにかく。とても長い間。
人々はよく私たちのことを、恐竜とか魔法使いみたいに見るんだ。
僕たちはずっと前からお互いを知っているような気がするよ。」

「大げさよ…」

「でも、まあ長い間だよ。正直に言うと、日常の生活は必ずしも簡単じゃない。
お互いに性格があるしね。それに、一人の人間のすべてが好きというわけでもないし。」

「そこは同感。」

「でも、たいていは、ちょっとしたことで満足できる。
それは取るに足らないことだけど、実はとても大きなことなんだ。
たとえば、手をつないで街を歩くこと。
一度手をつなぐと、僕たちは永遠のような気がするよ…。

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